先物買いならパトガスかカラハン
あたらしいところではパトガス(PATAUGAS)に注目してください。今年、エージェントになったばかりのブランドです。1950年にフランス南部のバスクで創業した知る人ぞ知る名門老舗で、キャンバスのアッパーにラバーソールという昔ながらのコンストラクションを守っています。いわゆるフレンチアーミーなあしらいがうまい。レディスはすでに伊勢丹と阪急でポップアップを行いましたが、好評でした。コーデュロイのパッチワークもおすすめです。
もうひとつ、カラハン(CALLAGHAN)も注目しておいて損のないブランドです。スペインのリオハで1968年に創業(ブランドの立ち上げは1987年)、いわゆるドメスティックなモカシンを得意とする工場でしたが、2代目になってハイテクを融合させるデザインワークを確立しました。ヨーロッパでは すでに火がついています。見どころは なんといっても中空構造のソール。特許も取得したアダプタクション・テクノロジーと呼ばれるそのソールは反発力がべらぼうに高く、蹴り出す一歩をサポートしてくれます。
じつは30年以上まえに工場にお邪魔したことがあります。2代目は まだ中学生でした。
エージェントになって5年。われわれの店でも売れ筋にあがるようになりました。
この業界に入って39年が経ちます。人生の大半を費やしてわかったことは、スニーカーと革靴は交互にトレンドとして浮上する、ということです。革靴そのものはダウントレンドかも知れませんが、まだまだいくらでも面白いことができる。わたしはそう確信しています。
つづく
横瀬秀明(よこせひであき)
GMT代表取締役。1965年6月6日、代々木上原生まれ。高校卒業後、ダブル・エフ・ジー入社。カンペール、ビルケンシュトック、パラブーツといったいまをときめくブランドを発掘する。1994年、GMTを創業。ジャラン スリウァヤ、G.H.バス、トリッカーズ、アイランド スリッパなどやはりシューシーンに欠かせないブランドを展開。10を超える直営店を運営するかたわら、ビームスやユナイテッドアローズ、三越伊勢丹といった日本を代表するストアとも太いパイプを築く。
【問い合わせ】
GMT
https://www.gmt-tokyo.com
Photo:Simpei Suzuki
Text:Kei Takegawa
Edit:Ryutaro Yanaka