ファッションシーンを彩るシューブランドを一手に引き受けるGMT。
その創業者である横瀬秀明さんに満を持して登場してもらいました。GMTは2022年上半期も大ヒットを飛ばして意気軒昂です。これまでを振り返ってもらうまえに、まずはこの秋のトレンドを占ってもらいましょう――
コンビのスリップオンは秋も品薄か
わたしは今年の年賀状に“2022年は革靴の年になる”と書きましたが、予言が見事にあたった格好です。G.H.バスのローファー、本命の黒白コンビがそのカラーだけで1800足売れました。
パラブーツでも丸の内のオープン記念で黒白コンビのローファーを仕込みましたが、こちらも完売しました。
すこしまえから その兆しはありました。(G.H.バスの)お店ではナイキを履いてきて、ローファーを買って帰る若者を数え切れないほど みてきました。ユーザーはポストスニーカーを探していたんです。
売れ筋は黒白コンビがダントツ、黒も入荷待ち、これにバーガンディが続きました。5月28日にはコンビが再入荷しましたが、朝から行列ができました。行列は夕方まで続きました。
なかでも黒白コンビが売れた理由。それはスニーカーの延長で履けるカラーリングだったからです。スニーカーは多色づかいを特徴とします。革靴に馴染みのないスニーカー世代にも とっつきやすかったというわけです。
G.H.バスに関していえばジェイソン・ディル(シュプリームの広告塔も務めたレジェンドスケーター)が履いたのも大きかった。ジェイソンはスケータースタイルの仕上げにG.H.バスの黒白コンビのローファーを履いた姿をインスタにアップしました。
この勢いは衰える気配をみせません。秋の目玉はレオパード柄やゼブラ柄のコンビです。
業界に入って最初に扱ったのがG.H.バスだった
フラッグシップストアのオープンは2018年。出店の地は青山のキラー通りを選びました。かつてのファッションストリートですからね。歴史あるブランドにふさわしい通りといえるでしょう。
アイビーリーガーが愛し、そしてマイケル・ジャクソンが『スリラー』のミュージックビデオで履いたのはウィージャンズ(G.H.バスではローファーをこう呼んだ)の黒です。G.H.バスは世界に誇るブランドながら、ここ日本での評価は芳しいものではありませんでした。
東京オリンピックの延期やコロナという思わぬ誤算もありましたが、そうそうにかたちになって胸をなでおろしています。じつはこの世界に足を踏み入れて最初に営業担当になったのがG.H.バスでした。本国からお声がけいただいたのも結果を出すことができたのも感無量でした。