©Getty Images「僕は元々そういう嗜好があったんだよね。だから、趣味が合う人と結婚したいと思っていたんだ。でも、たまたま誘われて行った婚活パーティで遥に出逢ってしまって、会うごとにどんどん君が好きになって……。本当に君と人生を一緒に送りたいと思ったんだ。でも真面目な遥にはきっと受け入れてもらえないと思ったから、ずっと黙っていようと心に決めて。どうしても遥に嫌われたくなかったから。愛しているからこそだったんだ。本当に申し訳ないと思ってる。ごめん」
「そんなのずるいよ……。最初に言ってよ！」
遥は号泣した。
遥は暁彦があっさり事実と認めたことに少し拍子抜けしていた。もっと言い訳を挙げつらねるのかと思ったが、遥を大切に思うが故の行動であったと聞き、悲しさに打ちのめされつつも、暁彦の愛情を感じていた。
本来ならば「そんなの耐えられない」と離婚すべきかもしれない。だが、遥は他の部分の暁彦をまだ愛していた。だから、良い夫、良い父である暁彦と決別する気にはなれなかった。
「私も、誰か相手してくれる人をみつけようかな」
「そうだね。セックスを自宅に持ち込まない、それも僕たちの一つの道かもしれないね」
夫婦にはいろんな形がある。形に縛ることで大切なものが壊れてしまうなら、縛らずにゆるめておく選択もある。それで大切なものを守っていけるなら、その選択はきっと間違っていないのではないだろうか。
Text：女の事件簿調査チーム
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