“夫婦の営み”がない。
夫婦にとって、家族を作る手段としてはもちろん、愛情確認としても大切な夜の行為。だがその愛情確認がうまくいかない夫婦もいる。
夫とのセックスレスに悩む妻、遥(仮名)の場合は?
※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。
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端正な顔立ちで元銀行員、現在は専業主婦の遥、38歳。小学校二年生の息子の母親だ。
三姉妹の末っ子で中学から女子校で育ったこともあり、彼ができるのも遅い方だった。夫とは27歳のときに婚活パーティで知り合い、29歳で結婚した。
夫・暁彦(仮名・40歳)は内科の開業医をしている。とても仕事に熱心で子供から老人まで丁寧に診察してくれると、近所でも評判の医師だった。外見は決してイケメンではないが、優しそうで品の良さそうな雰囲気を遥はとても気に入っていた。
遥は、結婚するまではプラトニックでいたいと、夫と一線を超えることはなかった。クリスチャンではないが、清い関係で嫁ぎたいと考えていたのだ。そして結婚初夜に初めて結ばれ、その一度の行為で妊娠し息子ができた。遥は「一度で妊娠するなんて奇跡! 嬉しい」と感激し喜んだ。
……だが、それ以来8年間、夫との性生活が一度もない。
最初は子供が生まれて間もないから、忙しいだろうから、と暁彦が求めてこない理由を考えていた。だが時間が経つにつれ、疑問はどんどん膨らんでいき、ある日暁彦に思いをぶつけた。
「ねえ、どうしてしないの? 私に魅力がない? それとも他に好きな人がいる? もしかして病気とか?」
「いや、そうではなくて……。僕、そんなに性行為が好きじゃないんだよね。仕事で人の体を見ているから、冷めているのかも。ごめんね。遥が嫌いとかそういうわけじゃないんだよ
いくら誘っても、コスプレもどきの下着を用意しても、2度目はなかった。
しかしある日、暁彦の部屋で見慣れないロッカーキーを見つけ、遥はとある疑惑を持ち始める……。
Text:女の事件簿調査チーム