いつの時代も禁じられた恋はあるもの。そのきっかけは興味本位だけに限らない、何か特別なことがあるものだ。どこまでも信じていい愛を求められ、社会の常識を超えてでも「守ってあげたい愛すべき人」を見つけてしまった。そんな女の話をしよう。
※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。
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高校教師と高校生。42歳と17歳。25歳の差。
輝美(仮名)は中学生と小学校5年生の母親であり、私立の高校にて英語の教員をしている。幼い頃に海外生活の経験があることから、普段の生活でも英語が自然に馴染んでいた。
共学で運動部の活動も盛んな高校で2年生の担任、そして剣道部の顧問をしている。剣道部員は12名。人気の部活ではないが、こぢんまり和気藹々と活動できる雰囲気が輝美は好きだった。
自身も高校時代、剣道部に所属。毎日汗を流し、県大会で優勝する有段者であった。
「先生、今日は相手してくれないんですか? この間一本取られたからリベンジしたいんですけど。俺が本気出せばすぐに一本取るんだけどな」
いつも輝美に声をかけてくる生徒がいる。2年生で隣のクラスの洋平(仮名)だ。
「ごめんね、今日は道着ないからできないなー。来週は用意しとくから、早く油売ってないで練習しなさい」
「ちぇっ」と言いながらクスッと笑って洋平は他の部員との練習に戻っていった。
1年の頃と比べるとグッと成長し、身長は175cmくらいになっていた。少し大人びてきた横顔にほんの少しだけ“男”が滲んでいた。
そんな洋平が、初夏の大会が近い大事な時期に部活を続けて休むように。聞けば、学校自体休んでいるらしい。
「何があったのだろう……」
普段、洋平と親しくしている生徒に理由を聞いても釈然としない。どうやら具合が悪いらしいが、担任もその理由をあえて深く聞いてはいなかった。
輝美は洋平が心配になり、自宅へ何度か電話をしてみたが応答がない。洋平の友達から連絡先を聞き、個人の携帯にも電話してみたが、やはり携帯もつながらない。
ますます心配になった輝美は、洋平の自宅を訪ねることにした。
Text:女の事件簿調査チーム