車から降りることなく、お店のサービスを受けることができる、ドライブスルー。ソーシャルディスタンスを確保しやすいことから、コロナ禍において利用者が増えています。実際、休日のお昼時には、ドライブスルーに並ぶクルマで渋滞が発生しているのをよく見かけるようになりました。また、海外ではドライブスルーでワクチン接種を行っているニュースも。
ドライブスルーといえば、ファストフードなどの印象が強いですが、近年は、さまざまな業種がドライブスルーを始めていて、「これらのドライブスルーをフル活用すれば、密集を避けつつ、休日を楽しめるのでは!?」。ということで、今回、「トイレ以外ではクルマから降りない」という縛りのもと、筆者とカメラマン、というおじさん2人で、神奈川県内のさまざまなドライブスルーを体験してきました。カップルだったらもっとよかったのに……。
■まずは、スタバで飲み物を
郊外のスターバックスには、ドライブスルーがある店舗があります。基本的に、商品は店舗内と同じ。ドリンクもフードも店舗と変わらない商品を購入することができるようです。筆者はあまりカスタマイズをしないので、詳しいことは分からないですが、店員さんにお願いすれば、カスタマイズも可能とのこと。ただ、店舗であれば、シナモンやミルク、はちみつなどを自由に追加することができますが、ドライブスルーではさすがにそれはないようです。

このような、独立型の店舗には、ドライブスルーがあることが多い。

注文方法も、一般的なドライブスルーと同じです。

こんな感じで、ドリンクが倒れないよう、ケースに入れて受け渡しをしてくれます。
今回は定番の「スターバックスラテ」と、取材なので見栄えのするものを、ということで、季節商品の「さくらふわりベリーフラペチーノ」を。

ドライブスルーならば、おじさんでも、周りの目を気にすることなく、こんなかわいいスイーツを食べることができます(笑)。
■ランチはドライブスルーの定番、マクドナルドへ
ドライブスルーといえば、やはりマクドナルド!! ここはみなさんもよくご存じかと思うので、詳しい説明は割愛します。

ドライブスルーの文字の下に、「24h OPEN」と書いてありますが、ドライブスルーが利用できる時間は限られている(深夜早朝は使えない)場合がありますので、注意が必要です。

マックのドライブスルーは、空いている時間だと、めっちゃ提供が早かったです。

海が近かったので、海を見ながら車内でいただきました。
■「本を買いたい」
さて、次は筆者の希望で本屋へ。なんと本をドライブスルーで買うことができる店舗があるのです。それがここ、「久美堂本町田店」。筆者は事前に電話で欲しい本の在庫確認と、だいたいの到着時間を伝え、取り置きをお願いしておきました。

久美堂(ひさみどう)は、神奈川県内に、現在6つの店舗をもつ、書店チェーン ドライブスルーに対応しているのはこの本町田店のみ。

ここがドライブスルーの窓口。

マイクではなく、窓口でお願いするシステム 筆者がうかがった際はお忙しかったのか、なかなか気づいてもらえなかった……。

窓を「コンコン」して、気づいてもらい、無事に購入することができました。

まだ購入していなかった、MFゴーストの7巻と8巻をゲット!! (9巻10巻は品切れだった)AMAZONで翌日配送、という手もありますが、買いたい本をすぐに! というのなら、ドライブスルーも便利です。
■おやつもドライブスルーで
ここで小腹が空いてきたのですが、今回はそれもドライブスルーで買わなければなりません。そこで向かったのが、「築地銀だこ湘南台店」。あの「銀だこ」がドライブスルーで買えるのです。神奈川県内ではこの湘南台店のみのようです。

目立つ看板はありがたい 22時までやっているのも、嬉しいポイント。

ここも、マイクではなく、窓口の店員さんにお願いするシステム。

店舗脇に、駐車スペースが4台分あり、今回はここにクルマを止めて、たこ焼きをいただきました。外はカリカリ 中はトロトロ とても美味しいけど、あつあつなので火傷には注意!! また、マックもそうですが、車内に匂いが充満するので、換気もお忘れなく。
■映画もドライブスルーで
そして今回、一番楽しみにしていた、映画へ。「ドライブインシアター」です。バブル期には多くあったドライブインシアターですが、上映が天気に左右されることや、夕方以降にしか上映できないなど、さまざまな理由から徐々に衰退し、いったん絶滅。しかし、コロナ禍で再び見直されるようになり、最近はショッピングセンターの駐車場などで、イベント上映されています。
今回は、「横浜ワールドポーターズ」で開催されたドライブインシアターへ。

横浜みなとみらいにあるショッピングモール 館内にシネマコンプレックス「イオンシネマ」があります。

ドライブインシアターが開催されるのは、横浜ワールドポーターズの立体駐車場屋上。

18時に開場、19時開演ということで、18時5分前に到着したのですが、先客が数台も。

駐車場屋上の建物(エレベーターのある建物)の壁にスクリーンが。ちなみに、スクリーンの下、建物内の明かりは、上映中も消えることはありませんでした。

音声はFMラジオで聴くシステム。料金は、2人分のペットボトル飲料とポップコーンつきで、1台税込3300円。ただ、1台いくら、なので、飲み物とポップコーンは2人分のみとなりますが、クルマに5人乗っていれば、5人で3300円ですみます。また、盗撮防止のため、入り口でドライブレコーダー目隠しのためのステッカーが配られます。この日はざっと30台ほどが同時に鑑賞。なかなか面白い光景でした(笑)。

奥と、向かって左の方にも、クルマの列ができています。この日の映画はディズニー映画だったこともあり、比較的子供連れが多かったように感じました。実際の映画館では子供がぐずったり、騒いだりする心配がありますが、車内なら安心ですね。

映画鑑賞を終え、帰路へ。みなとみらいは夜景がきれい!
■マスクなしでも気にならない
車に乗ったままで、さまざまなサービスを受けられる、というのは、小さなお子さんや、高齢の方、また身体の不自由な方にとって、メリットがたくさんあり、もっともっと増えてほしいな、と今回改めて感じました。また、コロナ禍においては、特にドライブインシアターに関しては、家族同士であれば「マスク無しに楽しめる」ということも大きなメリットでしょう。
ちなみに、今回の取材は一日で完結しています。出発から帰宅までの総移動時間は約10時間、トイレ休憩を除いても9時間近くは車内にいたことに。
まだまだ油断できない日々が続く中ではありますが、今回の企画が、皆さんのコロナ禍の生活において、少しでも息抜きができるような、参考になれば幸いです。
Text:Kenichi Yoshikawa
Edit:Takashi Ogiyama
