陽子:私はわりといじられキャラで、男性の中で遊んでいることが多いんです。いわゆる自称サバサバ系ではなく、「同化」して朝まで飲むタイプなんです。直近の彼はその仲間内の、かなりハイスペックな男性でした。
川崎:彼とはどうして結婚しなかったの?
陽子:すごく忙しい人で、クリスマスも誕生日にも会えないうちに、それっきりフェードアウトしてしまったんです。
川崎:ご縁がなかったのね……。
陽子:こんなに忙しいなら家庭は持てないかな、と。私自身、家族全員仲がいい大家族で、何不自由なく育っているから、放っておかれると寂しいんです。でも、自分の趣味は優先したいというか。
川崎:趣味って?
陽子:観劇とライブです。学生時代から夏は音楽フェスに行きまくっていて、夏休みはほとんど友人と山(フェス会場)にいます。彼と一緒に行ったこともありましたが、友達と行った方が気楽かもしれません。
川崎:フェスの話をしているとき、とても生き生きしている。結婚後も趣味は続けたいよね?
陽子:結婚後も続けられるかわかりませんが、理解してくれる相手がいいです。
川崎:今、話していてちょっと思ったんだけれど、陽子さんって行きつけの飲み屋さんが何軒かあるでしょ。
陽子:えええ!!! その通りです。透視できるんですか? コロナ前まで、毎月かなりの額を飲み代に支払っていました。
川崎:やはり……これはある種のパターンなのよ。多趣味で好奇心旺盛で、やりがいのある仕事と自由になるお金がある。そして、コミュニケーション能力が高い女性は、いろんな人と交流する。そのベースとも言える飲み屋さんを何軒か確保するのよ。そこにいけば顔見知りや知り合いもいて、不安や孤独を紛らわすことができる。そうしているうちに、あっという間に歳月が経過してしまうのよ。
陽子:はい。私自身、昨日まで30歳だったのに、一気に34歳になっていた感じです。
川崎:そういうお店は不倫願望がある既婚者が来ることもある。「男としてまだイケる」という自分を確認しに来る。陽子さんは不倫するタイプじゃないけど、不倫男には狙われそうではあるからぜひ気を付けてほしいわ。
陽子:はい。その通りです。すごい、あらゆる鎧をはがされて、丸裸になっているような気分です。
川崎:あとは、他人から見られる自分にこだわらないことね。陽子さんは他人から今よりもっと「充実した人生だね」と言われたいと思っているんじゃないかな。仕事もできて、素敵な夫と子供がいて、女として何もかも持っている私……みたいな。
陽子:常にそうなりたいと思っていました。
川崎:そうだよね……。辛口なことをいうけれど、他人にからどう見られているかで、自分の人生の達成度や評価づけをしてはダメ。そういう女性が婚活するとお相手に「ひとりよがり」な印象を与えがちなの。
ねえ、ところで陽子さんって、自分自身の自己肯定感についてはどう思う?
陽子:もちろん、自己肯定感は高いと思います。勉強もできたし、仕事もできるし、コミュニケーション能力も高いです。
川崎:それは自信があるってこと。今、陽子さんが言った内容をまとめると「私は努力ができて、結果を出してきた」だよね。自己肯定感が高いというのはそれとは全く違うの。「私はここにいてもいい」と思うことなのよ。勉強ができなくても、仕事ができなくても、人と上手に話せなくても、「ここにいてもいい」と思うこと。それをまず自分で感じないと、なかなか合う相手には巡り合えない。
陽子:がーん! 今、目からうろこが落ちまくっています。
川崎:大げさね(笑)。でも話していて思うけれど、陽子さんは自信もあるし、素直だし、「ご自身が本当に望む結婚」に向き合えば大丈夫。ただ、婚活に際して、達成できない目標設定を設定するのはよくないと思う。まずは、「順調に婚活タスクを達成できなかった自分」をチャーミングだと思って。
陽子:はい。けっこうドジな自分をかわいいと思えるようになりました。
川崎:素直さは婚活の、いや人生の最大の武器よ! そして、陽子さんは共感力が高い。だから、あなたに癒しを求めて様々なエリート男子が寄ってくると思う。
陽子:はい。けっこうなハイスぺ男子に言い寄られているとは自覚しています。
川崎:陽子さんのアイデンティティが「仕事」にあるから、同類をめがけてやってくるのかもしれない。でも結婚するなら、そういう人ではなく、「落ち込んだ陽子さんもかわいいよ」と言ってくれる男性がいいと思うな。
陽子:はい。私が結婚したい本当の理由は、仕事で疲れて家に帰ってきたときに、「今日もお疲れ様」と言ってほしいから。さらに言うなら、仕事で失敗した話をしても「大したことないよ、いつも頑張ってるね」などと言ってほしい。
川崎:そうよ! そういう共感力が高い男性が、陽子さんの運命の人!
陽子:ありがとうございます。なんだかすごくよくわかりました。
川崎:その調子でお相手の男性に求めるものをブラッシュアップしてみて。ご自身がお相手にしてあげられることも含めて。他人目線じゃなく、自分目線から、相手を選んで行ったら、きっと“合う人”に出会えるはずよ。頑張ってね。
Text:Aki Maekawa
Photo:Yuji Hirose
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【川崎貴子 プロフィール】
1997年に女性に特化した人材コンサルティング会社、株式会社ジョヤンテを設立。経営者歴19年。女性の裏 と表を知り尽くし、人生相談にのりフォローしてきた女性は1万人以上。婚活結社「魔女のサバト」主宰。「女のプロ」「黒魔女」の異名を取る。10歳と3歳 の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(KKベストセラーズ)『私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由』(大和書房)『上司の頭はまる見え。』(サン マーク出版)など。
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