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BUSINESS SONY元社員の艶笑ノート

【本当にあったドラマのような話】女上司を「口説いた」つもりが…

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明日の昼休みにぼくが職場にこっそり顔を出し、待ち合わせの時間を聞く約束をしてその日は別れた。今ならケータイやメールで簡単にやりとりができるが、当時はこうしたことは当たり前で、それが苦労とか面倒といった思いは全くなかった。

初デートの「この後、どうしよっか」

翌日の就業後、会社から少し離れたところで待っていると真木よう子がやってきた。コソコソ会うのは格別だった。こういうのを逢い引きというのかと思った。
何だかオトナの仲間入りをしたような気がした。しかも相手は人事部の先輩だ。まるで会社丸ごと手に入れたような気分だった。
アコガレの先輩とのデートにぼくは興奮し、競馬の話ばかりしていた。彼女は「競馬の話ばかり、よく飽きないね」と言ったが、「私にもそんなふうに熱中できるものがあったらなぁ」とも言った。

日本人の男は自分の話ばかりして女の話を聞かない(外国人もそうなのかも)と批判されるが、それは自分の話ばかりしているというよりも、相手と話をしたくて夢中になっているうちに自分を見失い、結果的にそうなってしまうという、一種の病気みたいなものなのではないかと思った。
はじめてのデートなのに、二人ともうち解けあい、いつの間にかお互いタメ口を利いていた。
二人とも気分よく酔っぱらっていた。

時間はあっという間に過ぎた。

彼女はアンニュイな目つきで「この後どうしよっか?」

次の店に行かない? という意味にも聞こえたが、この後どうするかを本当にぼくに聞いているようにも見えた。終電はまだだがハシゴするとなると微妙な時間だった。

どうしようかと思っていると、むかしゲーセンの店長をやっていた女が教えてくれたことを思い出した。
「女から『どうしよう?』と聞かれた時、逆に『どうしたい?』などと聞き返すのは野暮な男だ」と彼女は言っていた。



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