未知さんのその声に、子供たちは憮然とした態度をとったと話す。
「歳の頃は、幼稚園かもうすぐ小学生という感じ。完全に鬼ごっこの様相になっていたんで、少し厳しめに話しました」。
一瞬、注意を飲んだに見えた子供達だったが、数分するとまた走り出したという。
「これはもう、親にいうしかないと思い、持ち場の陳列を一旦辞めて親を探したんですが…」。
見つかったのは、店外。それも数人でおしゃべりに花を咲かせていたそうだ。
「わかりますよ、親同士お話が盛り上がっちゃうのは。でも親はお喋り、子供だけ店内で鬼ごっこはないでしょう?」
ー申し訳ないのですが、店内で走り回るのは危険ですので、お控えください。
未知さんはできる限り丁寧に伝えたという。しかし、彼らも子供同様、憮然とした態度。それでも未知さんは、毅然とした態度で挑んだ。
ー小さなお子さんからは目を離さぬようお願いします。割れ物などもあり、危険なので。
そこまで言って始めて、親は子供たちを連れ戻しに出たのだがそこでボソリ。
ー マジでほっとけよ。
そう吐き捨てたというのだ。【後編】では、子供たちが商品に傷をつけるトラブルが発生した現場を克明に追っていく。
取材・文/橋本 千紗
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