かつては10月1日に冬服へと衣替えするのが常識だった時代もある。しかし最近は異常気象が常態化しつつあるうえ、ジェンダー観も様変わりしている。
北海道北斗市のように、全市立中学共通のジェンダーフリー制服を導入し、購入には全額補助をしている例も見られるようになった。
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、近頃の学生の制服についてこう指摘する。
「最近は不景気のあおりを受け、学校指定の制服が買えず、リユースショップを頼るご家庭も増えていると聞きます。
激しい気候変動やジェンダーの多様化も進むなか、義務教育課程において、そもそも高額な制服を購入する必要性があるのでしょうか。制服業者さんへの影響にも配慮する必要があろうかと思いますが、高額な制服の是非について議論する時期に来ている気がしますね」
今回は、小中学生2人を育てている女性から「制服代が高すぎる。しかも着る頻度はどんどん減っている。おかしいと思う」とのご意見をいただき、取材にあたった。
「娘は現在中1ですが、うちは年子で、次は長男が入学を控えています。業者からは『年内に制服の採寸に来れば特典がつく』と言われ、すでに予約催促のDMがバンバン来ています」
こう話すのは溝口多美さん(仮名)。現在40代後半のパート従業員だ。
「娘の中学の制服は、冬服が7万円、夏服が5万円ほど。その他に、ジャージや体操服などを一式
購入して15万円くらいかかりました......」
娘さんが通っているのは市立中学だという。
「もちろん正規業者で買わなければなりませんが、エリアごとに指定を受けたお店が異なり、私たちの住む地域では制服を買える業者さんは、2店しかありません。
娘の制服を買った去年は、周りの先輩お母さんから『A店のほうが仕立てが丁寧よ』『B店は鞄などのアイテムが安い』などの情報を前もって聞いていたので、A店で買いました。が、実際にはA店もB店も大同小異です」
「夏服は上を2枚、下のスカートを1枚買いました。同じ市内には、ここ最近で制服をジェンダーフリー仕様にした公立校も複数あります。シャツやパンツ、スカートなどアイテムを選べますし、 従来の制服より安価なものになっていると聞いています」