神奈川県の茅ケ崎市立小学校で今年の5月、2年生の女子児童が学校内で複数の6年生の男子児童に下半身を触られる性的被害に遭ったと報道されている。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「ショッキングな事件に、SNSをはじめさまざまなところで批判の声が上がっています。男児児童は、女性の体の興味があったと述べ、以前ほかの女児にもいたずらをしたことがあると話しているそう。恐ろしい事態です。小学2年生と6年生は、子供と大人と言っても良いくらいの体格差。性別も異なるわけで、女児の恐怖は計り知れません」。
自分の娘に同じことが起こったら…そう考えると怒りで手が震える。
「さらに問題となっているのは学校側の対応です。事件後の6月に避難訓練で、被害者と加害者が鉢合わせる事態が勃発。それにより、女児は体調がさらに悪化し、医師から心的外傷による急性ストレス障害と診断されたそう。さらにトイレにすら1人で行けなくなった女児に男性教諭が加害者がトイレに来るわけないだろ、など心ない言葉をかけたとされています。正直フォローできるところがひとつもない対応です」。
これは立派な性犯罪だ。にもかかわらず、相手が14歳未満であることから刑法の定めにより刑事罰に問われることはない。女児の心の傷を思うと居ても立っても居られない。今回の事件で、ある出来事を思い出したと話す、ある母を緊急取材した。
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小川知子さん(仮名・39歳)は、この事件を耳にして、胸が締め付けられるような思いになったと話す。彼女には小学生と中学生の娘がいる。シングルマザーで2人を育てている。
「長女は小学生のとき、性的な発言を伴ういじりに苦しめられました」。
今回、知子さんが胸の内を話してくれたのは、注意喚起したいという想いからだと話す。
「今の現状をもっと多くの人に知っていただきたいですし、子を持つ親にはどうか細心の注意を払ってもらいたいと思うのです」。
長女に異変を感じたのは、今から2年前、6年生のときだったと話す。
「小学校6年生にもなると女児は体も発達し、女性らしい体つきになる子も少なくありません。娘も比較的、大きく、徐々に丸みを帯びた体つきになっていて、本人はそれを気にしているようでした」。
多感な時期である。
「そんな折、ある男子生徒が卑猥な言葉を発していることが発覚したんです」。
きっかけは、長女のスマホを見たことだった。
「塾に通っていたこともあり、5年生からスマホを持たせていました。ただ、アプリは親が許可したものだけ、メールのやりとりは親が閲覧できることが条件です。友達の追加もこちらの管理下にあります。学校には持っていっておりませんので、その間にチェックすることがあったんですが…」。
友人たちとのやりとりで、事実が発覚する。
ー男子たち、昨日も教育実習の先生に変なこと言ってたね。