ひとみさんは、子供たちへの想いをこう語る。「義母が生前言っていたように、仕事を続けてよかったと思います。あのとき仕事を辞めていたら、子供たちの学費と教育費に制限をかけていたかもしれません。4番目の子が大学を卒業したときは安心しましたね。これからは老後の資金を貯めるように頑張ろうと思ってました」
4番目の長女は以前から東京で働きたいと言っていて、就職活動に力を入れ念願の第一希望先へ入社。
長男と三男は同じ県内で生活しているが、次男と長女は関東で暮らしている。
子供たちが手を離れ、以前は8名住んでいた家は義父・夫・ひとみさんの3名のみになった。
その矢先、ひとみさんが53歳のときに義父がすい臓癌を患い、闘病生活を送ることになったのだった。癌はリンパへ転移しており、その翌年に義父は他界した。
「実は私、義父のことは嫌いだったんです。子供たちの面倒を見てもらったり学費の援助をしてもらったりしていたので、その辺りは感謝しています。
もともと頑固オヤジで堅物だったんですが、義母が亡くなったときから疑問を持つようになったんです」
義母のことは大好きだったが、義父に対して思うところはいろいろあったようだ。
具体的にどのようなところが嫌いで我慢していたのか。そう聞くと、重い口を開いた。
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