石破氏は過去の経歴も党内での批判の対象となっています。1993年、宮沢内閣の不信任案に与党議員ながら賛成し、離党。紆余曲折を経て97年3月、自民党に復党するも四半世紀以上、経ったいまも「出戻り」と批判されることも。
二階俊博元幹事長(85)も同じ時期に同じように自民党を離れましたが、このことで表立って批判されることはありませんでした。2人を分けたものは何だったのでしょうか。
「面倒見の違いに尽きるんじゃないですか。石破さんと会食すると、読書家で話題は豊富で分析も鋭く、大変勉強になる。でも、面倒見が悪く、お会計になると『今日は割り勘で』と告げられる。
自分より大物や資金力のある人がいれば支払いはお任せで、その際、手土産のひとつも持参しない。水月会でトップの時代、新人議員との会食を割り勘とし、その議員は安倍派に入会したと聞ききました。
二階さんは会合の支払いはもちろん、和歌山の梅などお土産も用意してくれる。菅義偉元首相なら秋田の稲庭うどんや横浜の甘納豆が思い浮かびます。
物をくれるから、奢ってくれるから付き従う、というわけではなく、自民党の派閥の領袖クラスの人は霞が関の官僚や記者、陳情客にも『おい、飯食ったか』『うまい○○がちょうど手に入った。持っていけ』と挨拶代わりに声をかける。相手を気遣う、その心配りの差でしょうね」(自民党関係者)
石破氏は田中角栄の弟子を自認するも「カネ集めは苦手」と公言。露骨なカネ集めパーティーも開催していないために懐は裕福とは言い難いのは事実。
でも、サラリーマン世界だって金払いの良い人が奢ってくれたら悪気はしないのは事実。社内の交際費が使えるはずなのに、奢ってくれない上司って、ちょっとモヤっとしたりするものではないでしょうか。
清廉潔白といえばそれまでなのかもしれませんが、清濁合わせ飲むタイプの人の方が、人間味を感じさせるのはこの世の法則。
しかし、いままでそれこそ政治信条なのかと思うほど「奢らない人」だった石破さんが、「ついに奢った!」と自民党がざわついています。