ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE ネット・SNS危機管理マニュアル

「人に厳しく、自分には甘く!?」都知事選事前運動に草津レイプ冤罪…ヤラカシに見る「なぜ野党は育たないのか問題の元凶」

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録
講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

ここ数日のSNSにおける殴り合いと言えば、蓮舫氏の事前運動に関するバトルを中心に、政治ネタの物量が圧倒的ですね。来月の都知事選に加え、衆院がいつ解散してもおかしくない空気感が「SNS政治クラスタ」の血を滾らせるのでしょう。

ちなみに事前運動とは「特定の選挙で、特定の候補者が当選するよう働きかけること」なので、告示日前に街頭で「蓮舫氏を都知事に!」と叫んでいる枝野さんは、普通に考えてダメなのでは。

枝野さんと言えば4年前、同じ都知事選で、事前どころか投票当日にまで「突き抜けたSNS投稿」をブッ込み、話題となりました(詳しくは「脱法餃子」で検索)が、ギリギリを狙ったつもりが、ご本人の体ごとラインを踏み超えていく姿が、なぜか笑いを誘うのはお人柄でしょう。笑い事ではないですが。

事前運動は、最終的に捜査機関が違法性を案件毎に判断する話なので、SNSでいくら殴り合っても仕方ないのですが、事前運動にしても脱法餃子にしても、彼らが清々しいくらい堂々とやってしまう背景には、日本のマスメディアが野党に与えている「手心」にも遠因があるのでは、と感じています。

マスメディアの多くは、同じヤラカシでも野党の場合は目をつむったり、無理やりな両論併記で擁護したりしがちなんですよね。今回も蓮舫氏の事前運動をちゃんと正面から取り上げているのは一部メディアのみ。他のヤラカシ報道も甘々だったり、似たようなもんです。

実は以前、あるメディア人から「少しは大目に見ないと、いつまでたっても野党が育たないから」という話を、かなり堂々と言われたことがあるんですが、たぶんそれ逆効果なんですよ。

政権与党なら辞任や更迭にまで追い込まれるネタも、俺ら野党ならメディアが大目に見てくれるぜ。じゃあギリギリまで攻めたほうが有利だぜ、俺はやるぜ!そんな状況からすくすく育つのは「野党でしか」使い物にならない甘々の政治家です。それしか育ちません。

とてもじゃないけど国政、特に外交やら安全保障やら、失敗=即アウト、ゴメンね国民、じゃ済まされないネタは任せられないのです。

「ウチは自民党と違って、決められたルールを守るなんて当たり前なんだけどな……」

そんなふうに愚直に有言実行する政党、それくらいの野党じゃないと政権交代を託せないし、今これほど自民党の「弱点ど真ん中」を打ち抜くセリフって他に無いと思うんですけど、誰も言わないの……?

とりあえず、批判にめげず手を変え、品を変え事前運動を続けてしまうような候補・政党なんて、国政どころか都政運営も危ういのでは、と感じます。

みんな、草津町長に謝罪しよう

ただそんな野党の中でも、一部で希望を感じさせる出来事がありまして、群馬県草津町の町長がレイプ冤罪の被害者になった事件(「セカンドレイプの町 冤罪」で検索)で、完全に濡れ衣だった町長をジェンダー文脈だけで勝手に断罪、SNSで激しく批判し、それを海外にまで宣伝した野党政治家や活動家の方々、ホント大勢いらっしゃったんですが(忘れません)、冤罪だったと確定した後でも、町長に対してほぼ誰も謝罪していないんですよね。さすがにダメでしょ。

でも、その一人だった国民民主党の元議員が、草津を訪れ町長に直接謝罪するとのこと。次の衆院選に立候補するにあたり、ケジメをつけようという経緯らしく、まあ本来なら立候補関係なくもっと早く訪問すべきでしたが、それでも逃げ回っている他の議員よりマトモです。

間違っていたら、それを認めて謝罪するのは当たり前。でも行動したのは素晴らしい。これ情報リテラシーの基本だし政治家の必須要件ですからね。間違っていたら認める、当然です。

本件について未だにダンマリの政治家、逆ギレして誤魔化している活動家の皆さん、今回の謝罪訪問が自分を見つめ直す機会になると良いですね。マスメディアもこの問題についてしっかり報じて欲しいです。

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。

 



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5