【後編】「部活動は保護者がやって」教員のブラック化を抑制する代わりに生まれてしまった現代部活動の歪みとは？

しかも、里奈子さんはこの保護者会で心配な噂を聞いた。クラブチームがどんどん実力を高めている近隣市では、地域の吹奏楽連盟の「お偉いさん」が直接運営や指導に携わっているチームもある、というのだ。

「吹奏楽連盟は大会の審査にも関わっているはず。これって、平等性が担保されるんでしょうか？こんな感じで、指導者の実力とか人脈がチームの強さに関わることがないようにしてほしいです。進学と関係してくる場合もあると思うので」

部活動の地域移行については、まだ可視化されていない問題も多く潜んでいるもよう。今後の動向に要注目である。

※この記事は取材に基づいていますが、取材対象者保護の観点から必要に応じて編集を加えておりますことをご理解ください。
 

取材/文：中小林亜紀

PHOTO：Getty Images