ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE 女たちの事件簿

見学した娘が背中に張り紙され不登校に「学校のプール授業の是非を問う」

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録
不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

毎年この時期、SNSで「水泳授業いらない」の文字が躍っていることをご存知だろうか。

先ごろ高知市内では、プールの故障により近隣の中学校のプールで授業を受けた小学生が溺れて亡くなるという痛ましい事故が高知市内で起き、宮城県栗原市の中学校では、31時間もの間プールの水が出しっ放しになるという恒例のミスも報告されている。

小中学校の水泳授業については、かねてからさまざまな問題点が指摘されてきた。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、小中学校などの水泳の授業が廃止される事例が徐々に増えている背景についてこう話す。

「水泳の授業には、今回のような悲しい事故が起こる危険性に加え、高額な費用や掃除・管理などの手間がついて回ります。ただでさえ物価高や人材不足に悩まされている中で、そもそも水泳授業は必要か、という議論が起こることも確かに頷けます。

また、昔と異なる気象環境のほか、男女一緒に水泳の授業を受けることへの抵抗感など、水泳授業が『時代に合わない』と感じる生徒や保護者も少なくありません」

学校のプールに関する問題が続発している現状を受け、水泳授業を見学したことがきっかけで嫌がらせを受け、一時不登校になった娘を持つ女性からの取材記録を急遽記事にまとめた。


「娘が生理で水泳授業を見学した際、思い出したくもないようなひどい嫌がらせを受けました。やった子は遊びのつもりだったのでしょうが許せません」

こう訴えたのは月島美代さん(仮名)。中学2年(当時)の娘を持つ母だ。

「やった子を絶対に許せませんが、犯人がわからなかったことと娘の強い希望もあり、学校側には調査や直接指導をお願いしなかったんです。その判断が正しかったかどうか、今でもわかりませんが」

娘さんに起きた出来事を語る前に、そもそも水泳の授業はいらないのではないか、と美代さんは言った。

「最近の子は体の発達も早いですし、ラッシュガードを着ることは許可されていますが、それでも体の線は出やすくなります。

男子生徒や男性教諭の前で水着姿にならなければいけない授業なんて、そもそもいかがなものかと思います。私生活で海水浴に行くならいいですが、中学の授業ですからね。本人の気持ちに関係なく出なければならないものですので」

美代さんの娘さんが、水泳の授業を見学したことによりいやがらせを受けたのは、昨年の7月のことだった。

「娘はそのとき生理だったので、当然水泳の授業を見学しました。生理痛がひどい子なので、見学というよりどこかで休ませてやってほしいくらい。薬が効く時もあれば効かない時もあるんです。

問題の日、娘の生理痛がどの程度だったか覚えていませんが、いずれにしても別の場所で休ませてなどもらえません。酷暑のプールサイドで見学したと聞いています」

美代さんは娘さんの所定のノートの連絡用スペースに「体調不良で水泳授業を見学させてほしい」旨を記入し提出させた。月経や生理と書いてほしくないというのは、娘さんからのリクエストである。

「見学をした子はその日、娘以外にもいたそうです。それはそうですよね、コロナだのインフルがまだ流行っていて体調の悪い子もいましたし、中学生になれば生理がある子が増えてきますから、一定の割合で見学者は出ます」

体の状態が同じ子が何人かいるはずなので、ある程度は安心して見学させていた、と美代さん。

「でも、あの日、学校から帰ってきた娘が手渡してきたメモ書きのようなものを見て、私はわが目を疑いました」

こんなの背中に貼られたの、と報告するや、娘さんは泣き崩れたとい

「同じクラスのお友達が気づいて、慌てて取ってくれて手渡されたとのことです。友達が気づいた時にはもうその紙が娘の背中に張ってあり、誰がやったのかはわからないと言っていました。ほかの見学者が被害に遭ったかどうかは確認できていません」

クスクスと笑う男子の声が何度か聞こえたような気はするが、それが誰で、また、その笑いが自分の背中を見てのリアクションなのかどうかわからない、と娘さんは証言した。

そしてこのいやがらせがきっかけで、娘さんは夏休みが明けて2学期が終わるまで学校に行けなくなってしまう。親子や教員はこの難局をどう乗り越えたのか。後半で詳細をレポートする。

取材/文 中小林亜紀

▶︎後編に続く


RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5