「ゲームは空間認識能力を高める…」だと!
2022年、国内ゲームの市場規模は2兆円を上回ったという。家庭用ゲーム機やソフトのほか、オンラインゲーム市場が相変わらず活況を呈しているようだ。同時に研究が進められているのが「ゲーム障害」「ゲーム依存」など、ゲームのやりすぎがもたらす弊害。ゲームのプレイ時間と、コミュニケーション力・視力体力の低下などとの因果関係も気になるところではある。
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はゲームと育児についてこのように指摘する。
「子供にプレイ時間や曜日などのルールを課し、約束を破ればペナルティを与えるなど工夫をしている親御さんは多いことでしょう。一方、親もゲームを楽しんでいる場合、子供に強く言えないという意見も散見されます。ゲームのやりすぎは心身の成長に影響を及ぼす可能性が示唆されているので、親御さんも自制心を働かせて、親子ともども健康に留意しながらゲームを楽しみましょう」
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子供のゲーム問題に関する意見をお持ちで取材に応じてくれる方を探していたところ、小学5年生の息子さんのゲーム依存が目に余る、とお悩みの女性と出会った。しかも、この女性の夫も日々オンラインゲーム漬けであるという。
「息子からゲームを取り上げた方がいいのではないか、と何度も思うのですが、実際には難しいし、取り上げることの弊害もあると聞いて困っています」
こう話し始めたのは岡林麻美子さん(仮名)。夫と小学校5年生の息子と3人で暮らす会社員だ。
「周囲のお母さん方が『うちの子だけやらせないわけにはいかない』『仲間外れになる』と言い出し、まるでドミノ倒しのように次々ゲームを解禁したのが小学2年の時でした」
小学2年当時には「うちはまだ与えない」と家庭の方針を曲げなかった親もいたが、5年生になった今では、ゲームを持っていない子は周囲にはほとんどいない。
「うちの子は携帯電話はまだ私と共同で使わせているので、ゲームはだいたいゲーム機を使ってやっています。友達の家へ遊びに行っても、うちへ遊びに来てもらってもとにかくゲーム一辺倒。何のためにみんなで集まっているのかと思うほど、どの子もゲームをしています。キャッチボールや鬼ごっこなんてしません」
学校の休み時間にはサッカーや鬼ごっこをすることもあるらしいが、ひとたびゲームを手にできる環境下になれば、すぐにゲームの虜になってしまうとのこと。