なんでもかんでも「ハラスメント」とは呼びたくないとは思いつつ、最近気になるのがスメルハラスメントだ。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「通称スメハラなんて呼ばれるものですね。ニオイで人に不快感を与える行為のことを指します。体臭はもちろん、タバコの臭い、香水や柔軟剤のニオイもよく耳にしますね。難しいのが、本人はまるでニオイに気がついていないこと。これだと注意するのは至難の技です」。
香水や柔軟剤、本来ならいいニオイであるものもスメハラになりうるのだから恐ろしい。
「ニオイの感じ方には個人差があります。体調などで変化することもありますし、何より目に見えないので、規定が作りにくいところも問題をややこしくする原因です。このため、対応には慎重にならざるを得ません。対策としては、社内全体で注意喚起をするなどが定説ですが、それで気がつく可能性はそう高くはなさそうですね」。
今回は、若い1人暮らしの後輩のニオイが気になると嘆くある女性から話を聞くことができた。
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花村まりあさん(仮名・44歳)は、スーパーでパートをしている。
「私はこのスーパーで働いてもうすぐ6年目。ベテランの部類に入ると思います。社員さんとも仲良くさせていただいていますし、バイトリーダー的な役割を任されることもありますね」
そんなまりあさんが気にしているのが、若手の男性社員から発されるニオイだという。
「20代後半の社員さんで、結婚はしていないと思います。今はまだ我慢ができますが、これから梅雨を迎え、それでなくとも湿気でもわっとしているなか、彼のニオイが充満することを考えると気が重いです。周りのパートさんたちとも話題になりますね」。
ワキガとはまた違うニオイなんだとまりあさんは話す。
「あの酸っぱいニオイとはまたちょっと違うんですよね。言うならば、生乾きのニオイ。もしかしたら、仕事が忙しくて、部屋干ししているのかもしれません。ある一定の距離に近づくともわっとニオイがくるんです」。
社員にも相談したそうだが、事態はなかなか改善しないと話す。