今期きっての人気ドラマとなった「不適切にもほどがある!」。
ミドルエイジ世代を中心に大受けし、回を追うごとに話題も増すばかりである。
若い世代の中にも、単純なコンプラ時代への批判や昭和懐古に留まらないクドカンワールドにハマる人もいるといい、職場や学校で話が盛り上がっているという方も多いのではないか。
一方で、「ドラマ人気=昭和の感覚が受け入れられている」と勘違いするのはリスキー、と指摘するのは危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏。
「オンエア後にドラマの話題で盛り上がったりすると、かの時代に青春を送った世代は自らのエピソードなどをつい語りたくなってしまいますよね。
ですが、たとえ職場で会社の若手が笑って話を聞いてくれても、それ自体が『気づかい』である可能性は否めません。あまり調子に乗って”昭和語り”を長引かせ、墓穴を掘らないようご注意ください」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
若い世代が「ふてほど」をどのように見ているのか取材を進めていくと、「ジェンダー感覚やハラスメントに対する認識のズレに気分が悪くなる」「観ていてかなりキツい」などと話す脱落組がいるなか、とても面白く観ているという20代に出会うことができた。
「私は『ふてほど』が好きで、毎週楽しみに観ています。昭和のファッションとか変な文化は新鮮ですし、今のコンプラにことごとく引っかかっている感じがもはやファンタジーっていうか、同じ現実と思えなくて面白いです。でも、私は同世代の中では少数派かも」
こう話すのは24歳の会社員・深谷璃子さん(仮名)。
何でも、璃子さんの両親が現在ふてほどの主人公、阿部サダヲ演じる小川市郎世代だとのことで、ドラマ本編もさることながら、親が目を輝かせて当時のナンセンスなカルチャーについて教えてくれる時間が楽しいのだとか。
「私の母は当時、市郎の娘の純子みたいな髪型をしていたんです。写真で見たことがあるので、父や母の若い頃が実写化されているみたいな面白さもあります。
発言がヤバくてハラハラする場面もありますけど、SNSで叩かれることを気にせずに言いたいことを言いまくっていた感じ、ちょっと羨ましいかもとも思う」