するとその声に気がついたのか、家の中から人が出てきたという。
「娘と思われる人が出てきて、状況を察して、すぐにタバコの吸い殻をちりとりから取り上げ、すみませんと頭を下げたんです。憮然とした態度の犯人とは正反対で、すごく低姿勢な人でしたね」。
康二さんは、娘に事情を説明したという。
「家の前にタバコの吸い殻を捨てられて非常に困っていると話しました。娘さんは、すいません、すいませんと謝るばかり」。
それ以上どうすることもできず、康二さんは引き下がるほかなかった。
「娘はすいませんと謝るばかりだし、犯人は私の話なんて聞かずに部屋に入ってしまうし、今後はやめていただきたいと伝えましたが伝わったかどうか」。
帰宅して、妻に顛末を話した上で、その日はそのまま出社した。すると夕方、娘が菓子折りを持って家を訪れたという。
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