「自分より年配の方ですし、愛妻を亡しておられると聞くとちょっと怯みました。それに事を大きくして、ご近所付き合いにヒビが入るのも本望ではありません。ただ、タバコの吸い殻に関しては許せませんし、わざわざ、我が家の前まで来て吸う意味も捨てる意味もわかりません」。
康二さんは翌日、朝、犯人が来る前に家の前を掃除しようと考えた。
「待ち構えてやろうと思ったんです。人がいたらタバコの吸い殻を捨てないでしょう?6時に掃除するときにはすでに捨ててあるので、5時くらいから出たり入ったりしてみようと思いました。すると思いのほか早く、犯人が登場したんです」。
犯人は康二さんの家とは逆方向に歩き出したという。
「あれ?と思いました。その日は、もう捨てないのかなと思って家に入ってしまったんですが、6時に出るとそこには吸い殻が。どういうことか分からず、翌日から数日観察をしてみることにしたんです」。
犯人は決まって5時15分に家を出て、5時半過ぎに康二さんの家の前を通過していたという。
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