「おそらくタバコを吸いながら、朝の散歩をしているんでしょう。同じコースで、同じようにタバコを吸っているから、おそらく吸い殻を捨てる場所が同じになるんじゃないかな?我が家はちょうどゴールに当たるんだと踏みました」。
康二さんは翌日から、犯人が家の前に差し掛かる少し前に掃除を始めることにした。
「鉢合わせたら、どうするのかな?と。もしそれでも捨てるようならガツンと言ってやろうと思っていました」。
康二さんは、隣近所を含めて念入りに当たりを掃いて回った。5時半を過ぎた頃、角を回って犯人が現れたという。
「犯人は明らかに驚いていました。私がいるなんて思ってもみなかったんでしょう。手にはかなり短くなったタバコを持っていました。じっと私がみると決まりの悪そうな表情をしていましたが、持っていられなくなったのかタバコをぽいっと地面に捨て、足で踏み潰したんです。僕の家とは反対側の側道でしたが、ここは路上喫煙禁止区域です。僕は意を決して、犯人に言いました」。
ータバコを捨てないでもらってもいいですか?
「そうしたら、犯人はいきなり怖い表情になり、ここはお前の道路なのか?とドスの聞いた声で詰め寄ってきました。正直、ちょっと怯みましたが、後に引けないので、毎日ここに捨てられて困っていると言ってやったんです」。
犯人は「私のだという証拠がどこにあるんだ!」と吐き捨てて、吸い殻をそのままにして帰ろうとした。康二さんは持っていたちりとりと箒でタバコを拾い上げるとそれを持って、犯人を追いかけたという。
「家の前まで行って、自分で捨ててくださいと言いました。正直、めちゃくちゃ手に汗かいてましたね」。
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