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【社会のタバコ問題】元愛煙家VS「ポイ捨て犯」の仁義なきバトル。新幹線全席禁煙が物議を醸す「庶民的理由」

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JR東海、西日本、九州は、東海道、山陽、九州新幹線に設置されている喫煙ルームの廃止を発表した。東北、上越、山形、秋田新幹線は2007年に喫煙席をすでに禁止しており、北陸、北海道、西九州新幹線においては当初より、禁煙。2024年には、事実上すべての新幹線でタバコが吸えなくなるということだ。これには愛煙家から悲鳴の声も上がっている。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「健康への意識が高まっている証拠でしょう。東京では2020年の4月には一定基準の喫煙室を有する場合をのぞき、屋内での喫煙も禁じられています。さらに歩きタバコに対して罰金などを設けている自治体もあります」。

喫煙できる場所を奪われ続ける愛煙家たち。路上に設置された喫煙所に溢れんばかりに群がる姿を都内ではよく目撃する。

「タバコを吸う人にとっては、まさに冬の時代ですね。しかしタバコは吸う人だけの問題ではありません。厚生労働省によると肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死の4疾患は受動喫煙との関連が確実と判定されています。タバコは吸う煙だけでなく、漂う煙、さらには喫煙者が吐き出す煙にも有害物質が含まれているのです」。

タバコの及ぼす健康影響は深刻だ。今回はそんなタバコをめぐってあるトラブルに見舞われた男性に話を聞くことができた。

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©︎GettyImages

橋爪康二さん(仮名・50歳)は、15年ほど前にタバコをやめた。

「我々の若い頃は、タバコ=かっこいいものという印象でした。ちょっと悪い、不良の雰囲気もあって、大人になったら吸いたいと思っていましたね。吸い始めた頃は、味というよりはその雰囲気に惹かれていたと言っても過言ではありません」。

15年前は至る所でタバコを吸うことができた。

「今では考えられませんが、飛行機や新幹線でも普通に吸えました。座席の腕置き部分に灰皿がありましたからね。僕も移動時間だけでなく、喫茶店、ファミレス、カラオケボックス…本当に至る所で吸っていましたね」。

当時は朝起きてすぐにタバコに火をつけ、寝る直前までタバコを吸うような生活だったという。

「タバコの値段も今に比べるとかなり安かったですからね。買い始めた頃は250円とかだったんじゃないかな、1箱。値上げ後も300円台だったと思いますよ。今なんて、500円とかするんでしょう?びっくりですよね」。

康二さんがタバコをやめたきっかけは、子どもができたことだった。

「奥さんは僕よりもヘビースモーカーで、1日2箱とか余裕で吸っていました。それが妊娠と同時にというか、タバコが吸えなくなって妊娠に気がついたんです。それ以来、パタリとやめてしまいました。それを見て自分も禁煙しなきゃ!と思ったんです。禁煙にはかなり時間を要しましたけど、15年前からは1本も吸っていません」。

禁煙して15年もするとタバコを吸いながら移動をしたり、食事をしたりすることが異常なことのように思えるという。

「なんであんなことができていたんだろうって。今では喫煙所はできるだけ、避けて通りますし、タバコ臭い人と隣り合わせになったりすると席を移動するほどです」。

そんな康二さんが最近、困り果てているというのが、家の前に捨てられるタバコの吸い殻についてだ。

「自治体で路上喫煙が禁じられているはずなんですが、どういうわけか家の前の側道にタバコの吸い殻が捨ててあるんですよ。この半年ぐらいかな。週に3〜4回。注意深く見るといつも同じ銘柄。ひどい時は、まだ火がついた状態で捨ててあることもあるんです」。

康二さんは毎朝、6時に家の周りを掃き掃除するのが日課だ。その際にいつもそのタバコをみて嫌気がさすと話す。

「自分もタバコを吸っていた身なので、昔のように自由に吸うことができず、なんなら排除されつつある愛煙家の方々を見て、気の毒だなとも思うこともあります。でもこの捨てタバコのようにマナーがなっていない人を見るたび、タバコなんてなくなってしまえ!と思ってしまうのも事実です」。

日々、捨てられるタバコの吸い殻との格闘。監視カメラの設置を考えていたときのことだった。いつものように朝の掃除をしようとするとタバコの吸い殻が側道ではなく、自宅の敷地内に捨てられていたという。

「我が家は一軒家で門の前に2段くらいの小さな階段があります。そこにタバコが投げ捨てられていたんです。これを見て、もう我慢はできない!と思いました。犯人を突き止めてやろうとそのとき、決めました」。

後編】では、康二さんが犯人と対峙した顛末についてさらに詳しく話を聞いていく。

取材・文/悠木 律



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