Kさんはどんな職場でも長くもたない人だろう、と麻里子さんは思う。しかし、たとえKさんがいなくなったとしても、どのみち今の職場には愛想が尽きたのだという。
「少し距離がありますが、この春完成したばかりのショッピングモールに転職しようかなと考えています。もう疲れました。誰でも傷つきながら生きています。傷つけたり傷つけられたりしながら人間関係を学ぶんじゃないでしょうか。どうやって心が傷つく度合いを他人と比べられると言うんでしょう」
言いたいことはまだまだあるが、今回のことは良い社会勉強だったと思うことにする、と言って苦笑を浮かべた麻里子さん。
「私は傷つきやすい」と自己紹介した人にどう接するのか、それは難題中の難題だろう。
Text:中小林 亜紀
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