何を言っても悪い方向に受けとるKさん。彼女を面倒である以上に怖いと感じるようになった麻里子さんは、それ以降Kさんへの助言や励ましを控えめにしたという。
「そうしたら今度は、パートリーダーが冷たくしてくると課長に言いつけたんです。言うに事欠いて課長は『二条さん、人の好き嫌いで仕事をしちゃいけないよ』と私を諭しました。意味がわからなくて、あとで泣けてきちゃいましたよ」
麻里子さんはこれまでの15年間、ムードメーカーとしていじめや陰口のない職場作りに励んできたという自負がある。そのため、課長の口から出た言葉はかなりショックだった。
「私の仕事ぶりを見ていてくれたと思っていましたが、勘違いだったのかもしれません。Kさんのお陰で、私はすっかり後輩にマウントを取るお局に仕立て上げられてしまいました。パート仲間はわかってくれますが、社員が私を見る目は明らかに変わりました。
『HSPだから人の気持ちを考えすぎてしまう』なんて、どの口で言ってるんだろうと思ってしまう。私もかなり傷つきました。人の気持ちが分かりすぎるらしいですが、私の気持ちには気づいてくれないんでしょうか」
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