2010年後半ごろから知名度を上げ、市民権を得るようになった「レズビアン風俗」。検索をかけると、1300万件近くヒットした。LGBTQが世間に広く認知されるようになった今、女性が女性にサービスをするレズビアン風俗の需要はさらに強まっているようだ。
今回はそんなレズビアン風俗について、ルポしていく。
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今回取材に応じてくれたのは奈美子さん(仮名・35歳主婦)。2歳上の夫と7歳の娘と暮らす彼女だが、独身の頃はOLのかたわら、新宿の風俗店で働いていた過去がある。もちろん家族には秘密で、墓場まで持っていくつもりだという。
レズビアン風俗を体験したきっかけを聞いてみた。
「風俗嬢時代の仲間3人と渋谷で呑んでいた時、1人がレズビアン風俗の話をし始めたんです。『私たちは男性用風俗で働いていたけれど、レズビアン風俗ってどんな感じかな?』『そもそもレズビアン風俗で働く子はレズビアンなの?』って……」
3人は同い年で入店時期も近かったことから親しくなり、結婚しても定期的に集まるのが恒例だという。
奈美子さんは続ける。
「スマホでレズビアン風俗を検索すると、横浜の『高級レズビアン風俗店・U』がヒットしたんです」
奈美子さんたちは、料金表を見て目を見開いたという。
「まず、60分で3万円という高額に驚きました。その上、延長料金は30分ごとに1万円。私たちの店ではありえない金額です。よほどの美人ぞろいだろうとキャスト一覧を見てみると、ほとんどが顔出しNGなんですよ」
ちなみに奈美子さんが勤めていた新宿の風俗店「S」の料金システムは70分2万5000円で、新宿では「大衆ソープ」の部類だという。
「酔いの勢いも手伝って、言い出しっぺの子が『今から3人でレズ風俗体験しようよ!』とはしゃいだんです。もう1人も『面白そう! 行こう』とノッてきて……。でも、私はちょっとためらいましたね……と言うのも、私自身、女性と付き合ったことがあり、同性の恋人と肉体関係も持ちました。だからこそ、体の関係になる女性に対しての『好き嫌い』がはっきりしているんです。
他の2人はおそらくノンケ(異性愛者)でしょうね。ノンケの人は同性に対してさほど抵抗感がないから『よほどひどい容姿じゃない限り、どんなタイプもOK。まずはレズビアン体験をしてみたい』という気持ちのほうが勝るのだと感じました」
躊躇した奈美子さんだったが、友人たちの勢いに抵抗できなかった。
「言い出した子が『高級レズビアン風俗・U』に電話をしたんです。しかも、『渋谷にいるから、可愛い子3名を派遣して』と、送迎代1万円も受け入れ、『奈美子はどんな子がタイプ?』と訊かれたので、それならと思い『スレンダーな美人系』と正直に答えていました」
約1時間後、指定された道玄坂付近の道路わきに、1台のワゴン車が止まった。中から出てきたのは、20代半ばと思しき女性3人だ。
「3人ともまあまあ可愛い部類でしたね。服装はワンピースやサマーニットにミニスカート、素足にヒールのサンダルで、今どきの若い子と言う印象。わざわざレズビアン風俗じゃなくても、男性客相手でも十分通用すると思いました」