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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「ヒス構文で攻めてくる典型的な毒親」「私のことを処女だと偽る…」親に手をかける子供が減らない「深すぎる闇」

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

また痛ましい事件が起こった。愛知県大治町で、中学2年で14歳の女子中学生が40歳の母親を刺したとして逮捕された。女子中学生は過去に母親からの虐待を疑われ、児童相談所に一時保護されていたという。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「令和3年の警察白書によると国内で起こった殺人事件のうち、およそ半数が親族間で起こっています。知人や友人が13.8%、面識なし12.1%であるのに対し、親族は47.1.%とその差は歴然です。残された家族は被害者、そして被疑者の親族という非常に難しい立場に追いやられてしまいます」。

今回も被害者は、娘2人と暮らしていたと報道されているので、被疑者の妹に当たる人物が被害者、そして被疑者の家族という立場になってしまう。その複雑な胸中はいくら推し量っても本当の意味で理解することはできない。

「殺人事件の数は減少傾向であるのに、親族間での殺人は減少していないそうです。親族であるがゆえ、許せない感情があるのかもしれません」。

今回、母親に人生をめちゃくちゃにされたという女性に話を聞くことができた。

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小板橋里奈さん(仮名・23歳)は、幼い頃から母親が苦手だったと話す。

「いつもやることなすこと、否定してくるタイプ。典型的なヒス構文で攻めてくるタイプです」。

ヒス構文とはお笑い芸人ラランドのYouTubeチャンネルで人気を集めているコンテンツのひとつで、お母さんが論理を飛躍させたり、論点をすり替えて、ヒステリックな言動で相手を詰める行為を指すものである。

「このYouTubeみたとき、もう感動すらしましたよね。今まで誰とも共有できなかった、母親の嫌いな言動が詰め込まれていて、共感の嵐でした」。

里奈さんの家庭はどちらかといえば裕福で、2人の兄も中学受験をしたのち、国立大学へと進学した。母は子どもたちの教育に力を入れていたと話す。

「私たちのためというよりは、自分の世間体のためですよね。息子2人を国立大学に入れた私みたいな。私は勉強がそこまで得意ではなく、中学受験に失敗。その時点で母から、失敗作という烙印を押さました。兄たちもお前は馬鹿だからなといじってくるほどでした。今では慣れましたが、当時は結構きつかったですね」。

里奈さんの手首にはリストカットの跡が残る。

「死んでしまいたいと思っていました。特に中学受験に失敗して、地元の中学に入学したあとは地獄でしたね。学校ではおちこおぼれの烙印を押され、いじめにあい、家ではバカの烙印を押され、カースト制度の最下位に。生きている意味がまるで見いだせませんでした。中学2年からは引きこもりがちになり、リストカットをしていたのもその時期です」。

そんな里奈さんにも転機が訪れる。通信制の高校に入ってから、ある人物と出会ったのだ。

「母はいい顔をしませんでしたが、居酒屋でバイトを始めました。なんとしてでも家を出たかったんです。専門学校にいきたいといったら、そんなとこに行かせるお金はないと言われてしまったので、それなら自分でと思って。そこで出会った5つ上の女性が、人生を変えてくれた人です」。

その女性も里奈さんと同じように家庭に恵まれておらず、ヒス構文を乱発するような幼稚な親の元に育ち、高校卒業と同時に家を出たんだという。

「彼女の家はうちとは違って、すごく貧乏だったそうです。お母さんが知らない男を連れ込んで…みたいな家庭で、バイトをしてもそのお金を親に取られてしまうのが嫌で、家を出たと話していました。高校1年のときは、彼女のひとり暮らしの家に入り浸っていましたね。母は兄の大学受験につきっきりだったので、私のことは野放し状態で、1日、2日帰宅しなくても何にも言われませんでした。彼女はとにかくかっこよくて、自立していて、いろんなことを教えてもらいました。いいことも、悪いことも。本当に憧れの人だったんです」。

里奈さんは見違えるように元気になっていったと話す。

「大袈裟かもしれませんが、彼女といると生きてる心地がしたんです。居場所を見つけたという感じでした。ところが、私が2年にあがるとき、彼女は東京に行くと言い出して、結局引っ越しをしてしまったんです」。

里奈さんはここで一念発起する。

「私も東京に行こう!と。それから猛勉強をしました。母も兄もそれはそれは驚いていましたね。偏差値30くらいはあげたんじゃないかな?結局、誰もが名前を知る有名私立大学の法学部に合格し、東京行きの切符を手に入れました」。

里奈さんは、東京に行けば彼女に逢えると思っていた。しかし、現実は儚く崩れる。

「上京してすぐに連絡をしましたが、電話は繋がらないし、メールの返信もしばらくありませんでした。1ヶ月ほど経った頃、電話があって、逢うことになったんですが…」。

現れた彼女は別人のようになっていた。覇気がなく、今にも消え入りそうになっていたのだ。

「居場所がバレて親と男、それから弟たちが転がり込んできたんだそうです。結局、今は親を養うために、風俗で働いているといっていました。夢が崩れ去るような気がしました。親からは逃れられないんだと」。

予想通り、里奈さんの元にも母の魔の手が迫っていた。【後半】では、里奈さんの心をズタズタに切り刻んだ毒母のあまりにもひどいやり口について詳しく話を聞いていこう。

取材・文/悠木 律



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