ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE 女たちの事件簿

【後半】美容男子を貶める50代親父たちの化石のような価値観がもたらす最悪の結末

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

息子は廊下で話を聞いていたようで、帰り道、ぽつりぽつりと学校でこの担任からイジられていることを教えてくれた。

「国語の教師なんですけど。女性の気持ちもわかるだろ?とか言いながら、息子を当てたりするそうです。クラスメイトの中には、そのいじりに乗っかってくる子もいるみたいですが、大半は美容男子を当たり前と思っているから、なんとかやっていけると話していました。これはさすがにひどいと思ったので、学校に連絡を入れようと一応、夫に話をしたんです。そうしたら…」。

先生の言うことが正しいとぬかしたのだ。

「本当に信じられません。自分の息子が先生にイジられているというか、いじめられているんですよ。トランスジェンダーであろうとなかろうと許すことはできません」。

さらに夫は、久美子さんにも牙を向けてきたという。

「お前の育て方が悪いからこうなったとかいうんですよ。私が小さい頃から好きな色や好きなこと、好きな食べ物を自由に選ばせすぎたからこうなったと。確かに息子は幼い頃から、水色やピンクが好きで夫はそれに対して、嫌悪感を抱いていました。その積み重ねが今だと」。

結局、この後、久美子さんは夫と大喧嘩になったらしい。

「息子全身脱毛をしたいとこの間から話していたんです。そのことについても脱毛なんて男の尊厳を失うものだとか言い出して…。終いには息子がトランスジェンダーだったら、どう責任をとってくれるんだと怒り狂い出しました。私はもうお手上げ。夫の本性を見た気がしました」。

あまりの騒動に息子が自室から降りてきて、仲裁に入ると夫は追い討ちをかけるように暴言を吐いた。

「先生が心配するのも無理はないと。お前のしていることは男のすることじゃないと言い切りました。さすがに息子もこれにはそんなことないと食いつきましたが、聞く耳はゼロ。このままじゃ、仕事もないし、結婚もできないし、人生うまくいくはずがない。このままじゃずっと1人きりだぞと。無知な夫が情けなく、無駄に傷つけられた息子が不憫で、私は泣いてしまいました」。



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5