「無痛の出産? 私は絶対に反対、お産は痛みがあってこそなの。陣痛を乗り越えてこそ母親になれるのよ。ラクに産もうとしたらダメ!」
また、義父も「母ちゃんは、姉と息子のとき2時間で産んでたからなぁ! 俺がかけつけたときにはもう産まれてたよ。美樹ちゃん大丈夫、みんな乗り越えてるんだから心配しないで」と言う始末であった。
帰宅後、夫と2人になり出産の件を話すと
「そこまで無痛にこだわる必要ある? 麻酔を打つってだけで15万くらい高くなるってコスパ悪くない? 周りに無痛で産んでる人あんまり見たことないよ。なんだかんだみんな無事に産んでるし、そんな心配することないって」
と、どこか他人事のような答えが返ってきた。
味方だと思っていた夫からもそのように言われ、失望すると同時に呆れてものも言えない美樹さんだった。また、そんな夫や義実家に対する怒りもふつふつと湧いてきたという。
「産むのは私、なんで他人にそんなこと言われないといけないの? お金だって、私の貯金から出すから問題ない。私が無痛にしたからってあんたたちに何の迷惑がかかるの?」
妊娠中のホルモンバランスの乱れもありセンチメンタルになった美樹さんは、そのあと寝室にこもり1時間以上泣き続けたそうだ。
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