両親とはあれからどうなったかと伺うと、吹っ切れたような顔をしながら話してくれた。
「今の仕事に就いてしばらくして、一人暮らしを始めたんです。両親とはあまり会っていません。たまに『仕事はどうか、ちゃんと稼いでいるか』と連絡は来ますが、スタンプを返すくらい。今後は自分で意思決定をして、人生楽しくやっていきたいですね」
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は言う。
「親が子どもを心配するあまり、就職活動や結婚の場面で口出しするケースが見られます。しかし、子どもといっても社会人になったら立派な大人です。子どもに対して親自身の価値観を押しつけてしまうと、子どもが『人生はこういうもの』と思い、諦めてしまう場合もあります。
子ども側も、親の期待に応えたい、悲しませたくないという気持ちを持ってしまうんです。そのような環境下で育った人は、ある程度大人になって『私の人生はこれでいいのか』と心が不安定になってしまう可能性もある。親は、子どもの好きなことや感覚を尊重することが重要になってきます」
RANKING
2
3
4
5
2
3
4
5