バブル崩壊後ほとんどの企業が有効求人倍率が1を割り、その後10年近く就職難が続く時代を、裕哉さんの親世代は見てきた。リストラがなく福利厚生や給与が安定している公務員は魅力的で、親が子どもになってほしいランキングへ常にランクインしていた。
不景気になると安定を重視する声が多くなる傾向にあるため、子どもの将来を考えて公務員を勧めたくなるのも親心だろう。
ゴールが公務員になることだった裕哉さん。今後は敷かれたレールの上を歩かず自分で人生を切り開いていくと決意し、親の反対を押し切って公務員を退職した。
その後は広告関連の企業に転職した。動画編集のほかにマーケティングも学んだ。クライアントが求めるニーズや戦略に応じてマーケット調査などをおこない、企画立案も担当している。
「民間企業へ転職する方法もわからなかったので、手探り状態でした。『公務員辞めないほうが良かったのに』と言われないくらい楽しく生きるのが目標でしたね。
飲み会に参加すると、友人たちからはもったいないと言われるんですけど、今の仕事はめちゃくちゃ楽しいし刺激的。利益を追求するのも公務員と真逆です。毎日いろんなことを学べるので、充実しています」
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