姉は『加奈子がいるから実家のことは何も心配いらない、助かるわ』と今回も嬉しそうに話したそうだ。
「姉は自分の夫が三男であることを理由に、義実家の介護などもまったく手伝う必要がない、とのうのうと言い放って涼しい顔をしています。
そもそも、家族の世話はみんなが協力すべきことじゃないかと思うんですが」
加奈子さんにとっては、姪っ子たちのかわいささえ霞むほどの疲労を感じた姉一家の帰省だったわけだが、ゴールデンウィーク終了後数日経つと、追い打ちをかけるように姉から電話がかかってきた。
「『母の日なんだけど、お母さんに私とあんたからと言って何かプレゼントを贈っておいてくれない?お花と夏用のニットなんていいんじゃない?お金は立て替えといてよ、後で払うから』と言われました」
ゴールデンウィークのお礼を言うでもなく、いきなり出費を伴う指示をしてきた姉に、加奈子さんは戸惑った。前年までは別々に贈り物をしてきたはずだったが。
「嫌な予感しかなかったですが、結局は言われるがままお花とニットを買い、姉と私からだと言って母の日に渡しました」
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@GettyImages
受け取った母親は大喜びし、加奈子さんにお礼を言うことも忘れて姉に電話をかけた。姉に何度もありがとうと言っている母の横顔を見て、加奈子さんは泣きたくなった。
「『孫という人生最大のプレゼントを2人も与えてもらって、それだけで十分なんだから、もう物はいらないのよ』母は姉にそう言っていました。
選んだのもお金を出したのも私なのに……。でも、そんなこと実際言葉にするなんてセコいし大人げないですよね?」
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