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LIFESTYLE 女たちの事件簿

【後編】もはや女中。孫を産んだ「功績」を盾に姉に使役されるアラフォー未婚女性の本音。

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母親は、陰になり日向になり働く加奈子さんの気持ちに気づいていないのか、時々感慨深げに「孫の顔を見られたことは、本当に人生で一番嬉しかったことかもしれないわ」と呟くのだという。

加奈子さんはそれを聞くたびに胸が締め付けられる。

「姉の第一子妊娠中、母に『孫の顔見せられなくてごめんね』と言ったことがありました。そのとき母はこう言いました。『良いのよ、お姉ちゃんが産むから。

あなたもいつまでも死んじゃった人のことなんて想ってないで、誰か見つけて子供を作りなさい。きっと忘れられるわよ』と。傷つきましたね」

今年、コロナ規制が緩和されて初めてのゴールデンウィークには姉一家が遊びに来た。

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@GettyImages

「私の本心を知らない両親は、姉一家が帰省する時、孫たちの好きな食べ物を作ったり調達したりするよう命じました。もはやお手伝いさんですよ」

もともと気が弱いうえに、家族に負い目がある加奈子さんは、親や姉からの要求や命令を断ることができない。

「お小遣いをあげたいから銀行で新札に替えてこい、家中を大掃除しろ、布団が古いから新調しなさい、などなど色々要求されて、片っ端からこなしました」

加奈子さんは独身でいるとかたく決めたわけではないが、恐らくそうなるだろうと思っているという。

そのせいか、親に心配をかけることへの申し訳なさや子供を産まないことに対する謝罪の念から逃れることができない。結果、両親や姉の言いなりになってしまうのだ。

「客間に姉の家族分の布団を敷いて、お風呂やトイレを磨き上げ、言われたものを買い出しに出かけ、ご馳走を作りました。

到着した姉は『ばあばとお買い物行っておいで』と言って孫を私と母に託し、私は車を出しました。ショッピングモールへ出かけ、母と姪っ子たちの世話を半日見たんです」



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