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【後編】妻が認知症の姑に笑顔で「お帰りは待ってませんから」...夫に明かされた積年の恨みとは 

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母を連れて家に戻り、「お前、一緒について行ってるんじゃないのか」と妻に訊ねると「ベルが聞こえなかったのよ。もう少し音の大きいのに交換してよ」という答えが返ってきた。

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©️Getty Images

あれほどベルの音には気をつけると言っていたのに、と雪彦さんは腑に落ちない気持ちになった。「そもそも時間があるお前が迎えに行けよ」とも言いたかったが、モラハラのようになりたくないので、その言葉は飲み込んだという。

「やっぱり部屋の外から鍵を取り付けようと提案すると、妻は涙を流してそんな残酷なことはできないと、判で押したように言いました。部屋に閉じ込めるなんてかわいそうだわ、と。同じような会話の繰り返しですよ」

事前登録だけでは心配だった雪彦さんは、氏名・住所・電話番号とともに「連絡してほしい」というメッセージを記したカードケースを、母のバッグや洗濯した後のズボンのベルト通しなどに片っ端から提げた。

警察は名札を縫い付けた方がいいと助言したが、妻が老眼で縫物がつらいということを理由に拒んだのだ。また、記載する電話番号は雪彦さんの携帯番号にしてほしいと再び妻に懇願された。窓口にくらいなってよ、と押し切られた形だ。

「そのあと何度か続けて、警察や一般の方から母を保護したという連絡が来ました。勤務中だから迎えに行ってくれと妻に電話で頼んでも、そのたび妻は”私は行けないからあなたが行って”の一点張り。専業主婦で時間があるのにおかしいでしょ」

お義母さんがかわいそうなどと言いながら、なぜ妻は一度たりとも母を迎えに行かないのだろうか。雪彦さんは腹立たしい気持ちになった。



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