「そういう時だけ子どもを抱き上げたり、オムツが濡れてないかチェックしてみたり……突然のやってますアピール……わかりやすっ！ て感じです。私が真相をバラさない、そういう性格だってわかってるから安心してイクメンヅラしてますね」
しかし、パフォーマンスが終わると、夫は速やかにいつも通りのぐうたらに戻る。
「オムツを買ってきてと頼んだら、ポチればいいじゃんと言うんですよ。でも、そう言いながらポチることさえしようとしません。そのレベルなんです。仕方がないから私が子どもを連れて買いに行きます。奴は育休とか、本当にあげちゃいけない男なんです」
オムツは重たいから配送してもらえばいいと夫はしばしば言ってくるが、そのような細かいこと一つ取っても、秋奈さんは全く逆のニーズを持っている。
「私は配送が嫌いです。家で育児してる時なんて凄い格好してるし、顔も洗わずにいることだってあるから、玄関先に出たくないんです。置き配も前にトラブったから信用してないし。だから、オムツやミルクくらい買ってきてほしいんですが、しないんですねコレが」
オムツのおつかいやネット注文でさえ億劫がる夫だが、育休を１か月取得した”実績”を誇りに思っていることは間違いないらしい。また、夫が勤める会社も、育休取得率アップや取得日数増に強くこだわっているのだという。秋奈さんは、育休を取っただけで義母から褒められている夫を見て、バカじゃないかと思った、と語る。
「誰のための育休なのか、全く考えてないんです。暴風警報が出た時に休校になって無邪気に喜ぶ子どもみたいに、誰かが大変な思いをしてるかもしれないことなんか考えないで、自分が休みを貰えたことだけ喜んでる。うちはそんな夫です。俺がいるだけで妻は心強い、とでも思っているんでしょうか。いるだけならストレスでしかないんですけど」
