【後編】「二重ローンは人生を狂わせます」旧宅が売れる前に新居を買った夫婦。その地獄のような日々とは。

「売り先行」の坂東さんも一歩間違えば地獄に

坂東さんは、自宅の売却益を織り込んで新居のローンを組めました。このような取扱いをしてくれるかは、融資を申し込む金融機関の判断によるので必ずしも実現するとは限りません。売却益を織り込めない場合には、やはり二重にローンを組むことになるでしょう。融資の審査で返済負担率がネックとなり変動金利での借り入れができない場合には、固定金利でローンを組む方法があります。

金融機関では、フラット35と金融機関独自の住宅ローン商品の両方を扱っていることが多いです。フラット35は全期間固定金利なので、金融機関が独自に販売する変動金利の住宅ローンより金銭的負担が増えます。しかし、フラット35は住宅金融支援機構の商品なので、金融機関が企画した住宅ローン商品より審査基準が厳しくなく借りやすいのが特徴です。固定金利は変動金利よりも利率が高いため、返済総額は高くなります。しかし、変動金利では借りられない場合の選択肢の１つとして、知っておいてもよいでしょう。