発達障害を抱える子供は、他者への暴力や暴言などが出てしまうことも少なくない。だが、暴れている本人にもその理由はわからないという。
「子どもが暴れた時は、言いたいこと、拒否したいこと、してほしいことをメッセージとして伝えたい時です」と語るのは、発達支援コンサルタントの小嶋悠紀氏だ。
小嶋氏は、問題行動を起こす子どもをよく観察し、行動がいつ何回起こったかなどを記録する習慣をつけることをすすめている。今回は、その記録手順を紹介する。
⬛︎問題行動を記録していくと、行動の原因特定に繋がる場合がある
「問題行動を起こす場合、3つの手順でその行動を記録してデータ化すれば、原因となっているものを特定できる場合があります」
発達支援コンサルタントの小嶋悠紀氏は、「友達を叩く」「授業中に立ち歩きをする」といった、いわゆる問題行動が見られる子どもについては、その行動がいつ何回起こり、どのくらいの時間続いたのかを測ってほしいと語る。記録の基本は次の3つ。
〇何回起こったか数を数える
〇増減を把握する
〇継続時間を測定する
問題行動を記録していくと、行動の原因特定に繋がる場合があるという。
「友達を叩く子どもがいたら、1日の間のどの時間帯に何回叩いたのかを記録することによって、行動の増減傾向がわかります。そうすると、特定の因子が見えてくることもあるのです。因子がわかれば、それを取り除けばいいのです」
立ち歩きなどの行動は「今日はちょっとだけ立ち歩きをした」といったあいまいな認識では、その子がいつどんな時に立ち歩きをするのか、傾向をつかむことができないという。
「『ちょっと』がどのくらいを指すのかは人によって違いますよね。だから、具体的な数字を記録して、客観的なデータを作る必要があるのです」
それぞれの子が抱える課題を一つずつ丁寧に観察することで、解決策が見えてくるケースは少なくないようだ。
一方で、臨機応変な対応によって、望ましくない行動を見直すきっかけを与えてあげられる場合もあるという。