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暴力は子供からのメッセージ。「なんで暴れたの?」と子供に聞いてはいけない、目からウロコの理由。

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「あの声で とかげをくらうか ほととぎす」 この世の森羅万象のウラ側を、FORZA STYLEの取材班が徹底取材。あなたの暮らしを守る、独自レポート。

発達障害の子どもを持つ保護者や教員は、日々、迷いながら教育を行なっている。理由もわからず暴れたりすることもある子と日々向き合う苦労は、きれいごとでは語れないのだ。

今、発達障害児とその周りの大人を支え続けてきたある人が話題になっている。

大学在学中に発達障害がある人を支援する団体を立ち上げて以来約20年、教員として「特性」のある子どもたちに寄り添い続け、いかにその子たちを伸ばして輝かせるかを目標に奮闘してきた小嶋悠紀氏である。

今回は、小嶋氏が著書『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』の中でも述べている、発達障害児の暴力について聞いた。

「他者への暴力や暴言などが出てしまう発達障害の子は確かにいます。ですが、その子たちが好きで暴れているわけではないということを、まずは理解してほしいのです」

理由のわからない暴力や暴言を目の前にしたら、おびえて動揺してしまう人も少なくないはずだ。なぜそんなことをするの?と叫びたくなるかもしれない。

「暴れる低学年の児童に対して、どうしてそんなことをするの?と聞いたことのある親や教員はたくさんいると思います。でも、聞いても解決にはなりません。

暴れている本人にも、その理由はわからないからです」

小嶋氏は、子どもが暴力や暴言に訴えた時、それはその子なりの表現やメッセージの発信としてとらえてほしいと語る。

「言葉で表現できるならしているんです。自分の気持ちややりたいこと、伝えたいことをうまく言語化できるだけの能力がないから、子どもはやむを得ず暴れるという行動で自分を表現します」

一説には、定型発達の子は6歳までに2400~6000語を獲得しているとされるが、発達障害がある子の語彙力はそのレベルに満たない場合もあると小嶋氏。

使うべき言葉を持たないことと伝えられないもどかしさが募り、行動となって表れる。

確かにそうとらえれば、子どもが手をあげてしまうまでの心の流れは理解できる。

「子どもが暴れた時は、言いたいこと、拒否したいこと、してほしいことをメッセージとして伝えたい時です」

子どもの暴力・暴言をメッセージとして受け取るのと同時に、問題行動が起きた時、測定する習慣をつけてほしいという。

なぜ子どもが問題行動を起こすのかを理解するためには、その行動がどんな時に起きやすいのかをよく観察する必要があるからだそうだ。

「問題行動を起こす子どもの保護者や教員は、『起こした』『起こさなかった』の二元論で語ることが多いのですが、このような単純な見方をしていても、なかなか子どもの気持ちが見えてきません」

小嶋氏は、問題行動を起こす子どもをよく観察し、行動がいつ何回起こったかなどを記録する習慣をつけることをすすめている。次回は、その記録手順を具体的に紹介する。

▶︎後編に続く


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