「何やってるの?全然こっちに帰ってこないんだから。」
「聞いて下さい、この方、DJさんなんですよ!すごくないですか?」
そう、男性の事を他の調査員たちに紹介する。男性は少し困惑した様子だったが、直ぐに男性調査員たちとも打ち解けた。ふと、一人の調査員が、男性に尋ねた。
「あれ?その耳、柔道ですか?ラグビー?」
確かに、半分隠れていて気が付かなかったが、特徴のある耳だった。
「中学と高校と、ずっと柔道部なんです。」
――――テニス部じゃないのか!?――――
「なんか、もてそうだよね?実際、もてるんじゃないのー?
やっぱり、彼女とかいるんでしょう?」
更に男性調査員が、男性を持ち上げる。すると男性は、
「彼女なんて、いないですよー!現在、絶賛募集中です!」
と、照れながらも満面の笑みで答えた。
「ほんとかな?なんか、落ち着いてるし。すでに結婚してそうな雰囲気なんだけどなー。」
「結婚?まさか。全く予定もないです。逆に、いい女がいたら、紹介してくださいよ。」
――――彼女もいない?結婚の予定もない?—------
男性の嘘で塗り固められた発言を聞きいたところで、タイミング良く店も閉店時間となり、我々も調査を終えることにした。男性はすっかり上機嫌で、別れ際には、我々に握手まで求めた。
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