「その頃、同級生に対して嫌がらせのような言動がやめられない生徒を抱えていました。カウンセラーの先生にも相談して、何度もその子と話し合いましたけど、やっぱりどうしてもそういう言動をやめられない。なぜなのかとか、私の指導が悪いのかとかそれもずいぶん悩みましたけど、そういう性質の子だと捉えることにしました。
本人の許可を得て、他の同級生たちに『○○は、嫌なことを悪気なく言ってしまうことがある。悪気があるときももちろんあるけど、ないときもある。だから、気にするなって言われても気になるだろうけど、○○の言葉に傷つく必要はない』と話しました。
一部の保護者や生徒たちには『理解できないし、○○をかばうのはおかしい』と言われましたが、『その言葉で楽になった』と言ってくれる生徒もいたので、自分の発言に後悔はありません」
その雪乃さんの言葉の響きには、みじんも迷いが感じられなかった。もちろん、その境地に至るまでに、ずいぶん悩んだからこそ今、「迷い」を感じさせない発言ができるのだろう。
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