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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「売り上げノルマもないし、お給料も安くないのに...」教師はブラック報道に、現役教師が思うこと。

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

教員というのはどんなブラック企業よりもブラックな働き方をしているといった報道が頻繁になされており、それが原因なのか何なのか、教員志望者が激減すると言った事態が起きている。

教員採用試験の受験者だけでなく、教育学部の志望者すら減っているという状況において、本当に教員という仕事がブラックだと言い切ってしまってよいのだろうか、と首をひねる現職教員もいる。

ⒸGetty Images

「人による……と言ってしまうと身も蓋もないのかもしれませんけど、私は自分自身の仕事が、他の職業に就いている人たちよりも大変だと思ったことはありません。ノルマとか売り上げとかそういうものは存在しないし、お給料が特別安いわけでもないし、残業を強制されているわけでもないので……」

そう話すのは村瀬雪乃さん(仮名・29歳)。彼女は、大学卒業後に地方公立高校の化学の教員になった。

「高校だから……とか、○○高校に勤めているから……とか、条件によって変わるのかもしれませんけど、学校の先生っていい仕事だなあって私は思っています。

確かに、部活の指導をしているので土日が潰れることもありますけど、喜んで部活動をしている子どもたちを見ていると、そんな休日も悪くないなあと思いますし、保護者の方からクレームのような電話があったときも、周囲の先生方に相談しながら解決しています。解決できてはいないかもしれないですけど、保護者の方々のお話を最後まできちんと聞くようには心がけています。

『辛いな』とか『きついな』と思うことはもちろんありますよ。とんでもなく落ち込むこともあるし、肉体的に疲れがひどいこともありますけど、それって教職だけじゃないですよね?」

雪乃さんは、そう言って笑う。

明るく前向きな彼女は、学校の先生になって3年目の年に、試練に襲われた。

彼女が初めて担任を持ったクラスには、毎日のように電話をかけてくる保護者がいたり、中学の頃からイジメかどうか判別に困るようなもめ事を起こしている生徒がいたりした。また、生徒からの評判がよくない先生が授業担当になる、という状況もあったそうだ。

「あの時は本当に大変でした。毎日電話をかけていらっしゃる親御さんは、過保護と言ってしまっていいのか、子どもさんのちょっとした言葉や行動が気になって眠れないというタイプ。一晩中眠れなくて……ってほぼ泣きながら半狂乱になって毎日電話をかけてこられるので、対応は大変でした。

授業時間中だろうが、部活の指導中だろうが関係ないという感じだったので、できる限りはお話を伺いますけど、5回目以降はきちんと『申し訳ないですが、授業があるので』とか『これから部活の指導なので』とお伝えして電話を切るようにしていました。

そのかわりと言ってはなんですけど、いつならしっかりお話を伺えるかをお伝えして、3時間くらいじっくり電話をすることもありました。

内容はいつもほぼ同じなんですけど、『大丈夫です』とか『気をつけて○○君の様子を見ています』とかお伝えすると安心してくださるなあとわかってからは、結構気楽でした。私自身があまり悩まない性格だからかもしれません」



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