「タレントと結婚して、子どもが産まれる」虚言癖上司に振り回された、後輩の心の葛藤。

優奈さんは海や山に囲まれた、農業が盛んな県に住んでいる。

大学卒業後は、地域に根ざした企業に勤めたいという思いから農業関連会社へ就職。
今年で８年目を迎える中堅社員だ。

住んでいる地域は田舎で、一言で表すと「狭くて濃厚なコミュニティ」だという。

「自分の上司が父親の学生時代の同級生」「取引先の営業の人は親戚」といったように、ありとあらゆるところで血縁関係や人間関係が繋がっている。

幼少期からそのようなコミュニティで育ってきた優奈さんは、就職後も地域の人たちに助けられながら楽しく仕事をしてきたようだった。

働いていた支所には25名の従業員が在籍しており、経理・営業・農業の３つの部署で構成されていた。
20代～30代の従業員は優奈さんを含め10名。
他の営業所に比べて若手の比率が高く、活気のある支所だったという。

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優奈さんには入社当時から仲が良く、とても慕っていたAさんという男性の先輩がいた。

年齢は3つ年上で、些細なことに気を配り仕事を手伝ってくれる優しい先輩だった。

「Aさんはお兄ちゃんのような存在でした。厳しさと優しさを兼ね備えていて、後輩へのフォローが上手な先輩でしたね。独身の頃は若いメンバーで飲みに出かけることが多かったです。プライベートの話もできて、私が彼氏と喧嘩したときもずっと話を聞いてくれました」