「タレントと結婚して、子どもが産まれる」虚言癖上司に振り回された、後輩の心の葛藤。

入社から３年が経った頃、優奈さんは当時付き合っている彼と結婚。
結婚当初は、あと２～３年は夫婦２人の時間を大切にし、子どもはその後考えようと話していた。

結婚したからといって、優奈さんの日常は今までのライフスタイルとあまり変わらなかった。

繁忙期は残業をし、仕事が終わるとたまに職場のメンバーと飲みに行く。
家庭と仕事の両立はそこそこ上手くいっていたという。

「Aさんと２人で飲みに行くことはなかったですが、給料日などは仲がよい職場のメンバーと一緒に飲みに行っていました。仕事の話のほかにも、みんなの恋愛の悩みを聞くのはとても楽しかったです。その中ではAさんが１番年上だったので、私たちに奢ってくれたり帰りのタクシーの心配をしてくれたりと、頼りになる存在でした」

そこから更に２年が経って優奈さんが28歳になった頃、お腹の中に小さな命が宿った。

妊娠後は今までのように頻繁に飲みに行くことはなくなったが、職場のメンバーの仲のよさは変わらなかった。

すると、Aさんからこんなことを告げられた。
「そういえばさー、俺も結婚するんだよね！ 前から付き合ってたタレント活動している彼女いるじゃん？ 妊娠が発覚したから３か月後に入籍するんだ」

先輩の突然の報告に、優奈さんも喜んだようだ。

「Aさんの奥さんのお腹にいるのは、まさかの双子ちゃん。予定日も私と２週間違いだったんです。５月に産まれる予定だったので、保育園に入りやすいかも、よかったね！なんて話をしてました。お腹の中の赤ちゃんの成長を報告し合ったり、年末年始のセールでベビーグッズが安くなる情報を共有したりして、お互いに家族が増えるのを楽しみにしていましたね」