ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE 女たちの事件簿

【後編】「依頼は行為中の動画撮影」スーパー店員から探偵になった人妻が、探偵業のウラ側を赤裸々告白。

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録
不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。
▶︎前編はこちら

前編のあらすじ】

主婦の鶴岡ミサキさん(38歳)は、探偵事務所に所属している。ある時、舞い込んだ依頼は、「ターゲットの男性を親しくなること」だったのだが…。


探偵会社の社長から依頼された「ターゲットの男性と親しくなること」を、具体化すると下記のようになる。

1.行為中の動画撮影をすること。撮影は2台の定点カメラで2方向から撮り、可能なら、スマホでも動画撮影をすること。
2.ICレコーダーで行為中の声も録音すること。
 

事実は小説よりも奇なりとは、まさにこのことだろう。

「動画の撮影にはさほど不安はありませんでしたが、ジュンさんにここまで執着する依頼人ってどんな人なんだろう?とも思いました」

チャットルームでの会話では、ジュン氏とさらに親密になるよう書き込みを続け、金曜の夜、横浜のレストランバーで会うことになった。

A社長から送られてきたジュン氏の顔写真に、ミサキさんは好印象を抱いたという。

「意外にもスッキリと整った顔立ちでした。45歳とのことでしたが、もっと若く見えます。メガネに短髪で、やや面長の顔立ちは『塩顔のイケメン』の部類に入るでしょうか。ファミリーカーのCMに登場するイクメンパパと言った感じです」

デート当日、ミサキさんはボブヘアを緩く巻いて、胸の部分が深くV字にデザインされたプリントワンピース姿で待ち合わせ場所に向かった。『白金台のセレブな人妻』にふさわしい装いだ。

トートバッグは側面が細工され、カメラが仕込まれている。その他にももう一台の小型カメラ、スマホとICレコーダーも持ち込んだ。

失敗は絶対許されないという妙な使命感もあった。A社長や依頼人に裸身を見られても全く平気だった。むしろ、ここまでくると「手柄を見せたい」気持ちのほうが大きかった。

7時ちょうどにレストランのドアを開けると、カウンターに座ったラフなジャケット姿の男性が席を立った。

「ミサキさんですよね? 初めまして、ジュンです。想像以上に綺麗な方だ」

写真で見た彼とは違う「ひとりの男」になったジュン氏は、緊張しているのか、ぎこちない笑みを向けてきた。

「初めまして、ミサキです。やっと逢えましたね」

ミサキさんもほほ笑んだ。このあと繰り広げられる男女の行為に胸を高鳴らせながら、彼の隣に腰をおろした。元々彼女は、スリルを求めて探偵事務所のドアを叩いたのだから、冥利に尽きると言えるのかもしれない。

 

©Getty Images

「ジュンさんとは、すでにチャットで甘いやりとりをしていましたから、ドキドキしながらも、会話は弾みましたね。

実は会う前に一度だけ、彼を品川のオフィスから湘南の自宅マンションまで尾行したんです。東海道線のF駅で下車した彼を追うと、改札口には中年の女性と小学校低学年くらいの男の子が立っていて、『パパー!』と手を振っていたんです。

ジュンさんは、笑顔で歩み寄ると、男の子と手をつないで帰っていきました。普段、私とエッチなチャットをしている姿からは想像できない姿でした。子煩悩なイクメンパパでも、下半身は別物なんだと思いましたね」

30分ほど会話を楽しんだころ、ミサキさんのスマートフォンに通知が来た。化粧室で確認したところ、表示されていたのはA社長からの指示だった。

―今日は行為はナシだ。依頼人から「男女関係に至らずにつなぎとめておいてほしい」との要望があった。ミサキさんの考えで、何とか次回まで引っ張ってもらいたい。

「ここまで来てひどいですよね。でも、依頼人の指示には逆らえないので、渋々従いました」



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5