【後編】「あの人じゃなきゃダメなんです」ある祈祷師に依存した女性の悲痛な叫び。彼はいったい何者なのか？

「この写真の仏壇に置かれた『三界萬霊』と書かれた位牌を仏壇に祀られるのを、私は今までに見た事がない。『三界萬霊』とは、この世のあらゆる生命あるものの霊を、宿らせ供養するためのもので、仏壇には祀らないんです。それに、この写真の中でこの方が身につけている装束は、N宗ではなく禅宗のものですね。N宗の僧侶が、この装束を身に着けることはありえません」

どうやら、今はネットなどでもあらゆる宗派の装束を購入できるという。そのため自分で選んだ装束を身にまとい、それらしい仏壇を作って祈祷師の真似事をするくらいは、その気になればできるのだ。

住職の証言から「日祷」が正式な僧侶で無いうえに、祈祷師でもない可能性が極めて高いことが明らかになった。とはいえ我々はどうしても、依頼人にそれを伝えることに抵抗を感じた。考え抜いた挙句、依頼者には

「日祷は５年前に亡くなり、弟子はもっていなかった」