「少子化の問題が毎日のように報道されていたり、不妊治療に保険が適用されるようになったり、周りには妊娠の話題が溢れています。私は35歳で、次があるかどうかはわかりません。この先立ち直れるのかどうか不安で、出口のないトンネルの中にいるようです。前の流産では、慰めや励ましの言葉もこたえたので、誰かに相談するのもためらってしまいます。私のことを心配してくれる人の気持ちに答える余裕もない自分が嫌になります。どうしたらいいのか途方に暮れていますね。」
身体的な経験を共有できないため、どうしても夫との間には温度差が出てしまう。
そのため、夫が発してくる「いつまでこんな感じなの?」とでも言いたげな空気もつらいと千春は言う。
「次がある」「何度でもチャンスはある」「医療が発達しているから大丈夫」「子どもがいる人生がすべてじゃない」など、しばしばかけられる励ましの言葉は、流産で苦しんだ人をかえって追い詰める場合もある。
そのことを、心に留めておいていただけることを切に願う。
ライター 中小林亜紀
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