「もうできるんだろ、と言われました。妊娠中は避妊しなくていいもんなと。開いた口が塞がらなかったですね。私が読んだ本には、精液の中に含まれる成分が子宮の収縮を促す作用があると書いてあったので、怖くて、避妊すべきだと言いました。そうすると、何か月もおあずけだったのに?とキレ気味に言われましたね」
沙也子が家事と仕事を再開し、少しご機嫌を取り戻していた夫だったが、夜の営みではわがままになった。
「私が毎回断ることで浮気とか風俗いかれるのも嫌だったので、仕方なく3回に1回くらいは受け入れたんですよ。でも、こえーな、体位に気をつかうなあ、とかいちいち言いながらするんです。じゃあやめる?と声をかけると、絶対にやると… …。避妊もなしです。頼んでも着けるそぶりもなくて、結局、あ、我慢できないからこのままいくよとか……私はもう諦めモードでした。終わったあと、生最高って呟いたりして、人を何だと思ってるんでしょうね。ダンナの満足そうな顔を見て、頭にくるのに少しほっとしている自分のこともすごく嫌でした」
お腹の張りが頻繁になってきた妊娠8か月の半ばほどからは、性行為はできるだけ控えたいと頼んでみた。しかし、夫は長いつわりの間禁欲していたのにとスネて見せたのだという。よくよく聞いていくと、産後はさらに性行為ができず、また長期間できなくなるため、今しておかなければと思っていたようだ。
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