【後編】「もうできるんだろ？」妊娠7ヶ月の妻に夜の営みを強要。夫の家庭内マタハラが実家同士の争いに発展するまで。

「私も沙也子を妊娠中、つわりが本当にひどかったの。とにかく臭くてもいい香りでも、においというにおいが全部いやで、りんご嗅いでも石鹸嗅いでも吐いてましたよ。頭痛もひどくて、常にジンジンしてました。妊娠は確かに病気じゃありません。でもつわりは、人によっては色んな病気を凝縮したような症状をもたらすものなの。少しでいいから、いたわってやってね」

母は厳しい口調で話した。久しぶりに自分を守ってくれる人が現れ、沙也子は胸のつかえがとれた。ろくにお礼もできないまま母を見送ったあと、沙也子は母が料理を作ってくれてあると夫に報告してみた。

「『これ見よがしにやってってくれたんだな』と開口一番に言いました。これ見よがしってどういうこと？ですよね」

夫は沙也子の母親が帰った後も、態度を改めることはなかったという。それどころか、妊娠７か月に入ってようやく強い吐き気とだるさが収まってくると、待ってましたとばかりに性行為を求めてきた。