「ついにこう言い出しました。わかった、沙也子に負担かけない代わりに、そういうお店に行くのを許可してと。予算もつけてくれと。後でバレて騒がれてもいやだからと言うんですよ。産後に夫婦生活が再開できれば、そんなお店には絶対に行かない。この期間だけだと言いました」
沙也子は夫へのあまりの失望にめまいを覚えたという。
「行くなら黙って行けですよ、嫌だけど。普通そうじゃありませんか? 結局脅してるんですよね、風俗行かれたくなければオレとやれって。それでも断られたら、公認で風俗行けるという。最悪です」
その交渉をした夜、夫は沙也子に口ですることを求めてきたという。
「つわりが収まっても、何かの拍子に吐き気がするような状態は続いていたので、本当にムリって言ったんです。そうしたら、言うに事欠いて、じゃあ奥まで入れなきゃいいだろ?って、私の顔に突きつけてきました。もうこうなっちゃってるから、鎮めてくれなきゃこまるとか言って。死ねと思いましたね」
ホルモンバランスなども関係あるのか、妊娠中は気持ちの面でもデリケートになっており、いつもなら強気になれる場面でも、シュンとなっていたように思う、と沙也子は言う。
「言いなりになってしまいました。それで、また後で腹が立って、落ち込んで泣いて」
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