【後編】「保護者と袴かぶり、嫌味の嵐」32歳女性教師が困惑。高校の卒業式当日に勃発した「想定外のトラブル」とは。

【前編のあらすじ】

「卒業式は外から見るほど素晴らしいものでもないですよ」と語る高校教師の瑞樹さん。「卒業式」において理不尽なトラブルの数々は毎年つきものだが、「想定外のトラブル」も同時に起こるようで……。

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瑞樹さんにも苦難は降りかかってきた。

「まあ、数人が欠席しただけで式そのものは静粛に始まったのですが、私が着ていたものと全く同じ袴を着ていらっしゃるお母さまがいて、私は『あらまあ』と思っただけだったのですけど。その方は大変気分を害されたらしくて式の後で私のもとにつかつかと近寄って来て『先生、これ結構高価な袴なのにご購入なさったのですか？高校の先生ってあんまりお給料は高くないって聞いていましたけど、そんなことないのかしら？あ、それともよく似ているけど先生が着てらっしゃるのは偽物かしら？』っておっしゃって……。びっくりして、よくわからないけど謝ってしまいました。今となっては笑えますけど、その時は笑えなかったですよ」

明るく笑う瑞樹さんは、さらに言葉を重ねる。